テーマ:飛行機事故における安全対策(2)
カテゴリ:事件事故
34年前の8月12日、羽田空港を伊丹空港へ向けて18時に飛び立ったJAL123便が御巣鷹山の尾根に墜落し乗員乗客520名が死亡しました。奇跡的に4名が助かった事故でした。この事故では歌手の坂本九氏も亡くなりました。
テレビでその事故を知り事故の大きさに衝撃を受けた記憶がはっきりと残っています。事故の原因は修理ミスと点検ミス。同機はこの事故の7年前に機体尾部が滑走路と接触し中破するしりもち事故を起こしています。この事故によって生じた損傷の修理を製造元のボーイング社が行った際に作業ミスをしたことが事故の主原因と結論づけられています。 しりもち事故によって後部圧力隔壁が損傷、その際の修理ミスによって本来2列必要なリベットが1列分しか利かず接続強度が不足した状態になっていたといいます。隔壁の強度が低下し飛行中の与圧に耐えられなくなったために隔壁が破損、その影響で垂直尾翼は破壊、補助動力装置も喪失、油圧操縦システムの4系統全てに損傷が及び操舵が不可能になってしまったそうです。 同機では事故前に客室後部の化粧室ドアの不具合が28件発生していますが、しりもち事故によって生じた機体の歪みによって化粧室ドアの不具合が発生した可能性は否定できないとされています。そうした不具合が生じていたにもかかわらず 原因の究明が行われていなかったことに疑問を感じます。飛行機の墜落事故では多数の尊い命が奪われることが常です。少しの異変でも見逃さず安全対策に万全を尽くして欲しいものです。 過去には多くの飛行機墜落事故が起きていますが1966年の全日空羽田沖墜落事故では乗員乗客133名全員が死亡しました。事故原因は不明とされていますが、東京 ・札幌間を46分といったスピード記録を競うパイロットもいてそうしたことが背景にあるのではとも言われました。 1971年には東亜国内航空 63便 ばんだい号の墜落事故があり、北海道函館郊外の山地に墜落し乗員乗客68人全員が死亡しました。計器の誤読によるパイロットミスとも言われましたが結果として事故の原因は究明できませんでした。 ばんだい号の墜落事故があったのは1971年7月ですが、同年同月には岩手県雫石町上空で全日本空輸 58便と自衛隊機が空中衝突し乗員乗客162人全員が死亡しました。自衛隊機のパイロットは脱出して無事でした。民間機を敵機とみなしての訓練を行っていたのではとの疑惑も生まれた事故でした。 1982年には異例の墜落事故がありました。 日本航空 350便が東京国際空港への着陸進入中に急激に降下し、滑走路の手前の海面に墜落し乗員乗客174人中24人が死亡多数の重軽傷を出した事故です。パイロットがエンジン4基のうち2基の逆噴射装置を作動させる操作を行ったため墜落した事故でした。逆噴射事故とも呼ばれましたがパイロットの精神疾患が原因でした。 パイロットはこの事故の6年前に幻覚を見る症状が出ていて、聖マリアンナ医科大学病院で通院治療を続けていたが改善せず妄想も抱くようになったとのことです。事故当日の350便の乗務中には「敵に捕まって残忍な方法で殺されるよりも自分から先に死んだほうがマシだ」という妄想を抱き、しばらく恐怖に震えた後に現実に戻るという精神状態にあったとのことです。このパイロットは乗客に先駆けていち早く逃げ出したことでも話題ともなりましたが、業務上過失致死罪により逮捕となった後に心神喪失の状態にあったとして不起訴処分となりました。 ここでは代表的な墜落事故のみ紹介しましたが、過去には多数の事故があり犠牲者も出ています。最近は大きな事故はないものの大事故につながりかねない事故は起きています。またパイロットの飲酒が問題となって報道でも取り上げられていましたが、多数の尊い命が一瞬で奪われかねない事態ともなるのでもっと慎重になって欲しいものです。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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