今日の昼間、中国関係のセミナーを聞きにいきました。テーマは「中国のWeb2.0」で、某著名シンクタンクに勤めるすでに日本滞在10年以上の中国人の方が講師でした。有料かつタイトルからしてちょっとマニアックだったので参加者はちらほらでしたが、内容はなかなか面白かったです。
「Web2.0」というと、このようなブログとか、MixiのようなSNSとか、YouTubeのような映像投稿サイトとかなど、普通の一般ユーザが発信していくサイト(業界ではCGM、Consumer Generated Mediaと言ったりします)のことで、従来のポータルサイト業者などプロが一方的に情報を発信するWeb1.0に対比して使われます。中国のブログ登録数は2年も満たない期間にすでに3千万くらい(休眠サイトを除くと900万くらいと言っていたと思います)まで拡大しているそうです。2003年ころ「木子美」という一般女性が本音を発したブログが注目され、急速に広まったそうですが、この話は有名なんですかね。全然知りませんでした。
あと、昨年くらいに陳なんとかという有名な映画監督の作った映画が、前評判の割には期待はずれだったことを、胡なんとかという一般人が20分くらいのパロディー映像(「血饅頭」というそうです)にまとめて、「結局饅頭の話」という一言で片付けたことが受け、これに激怒した監督と裁判沙汰になりそうになったのですが、最終的に一般人の方がネットで大いに支持されたことから、これによってもブログの威力が流布されたという話でした。
その一方で、ブログを初めとするWeb2.0は、すでに中国では無秩序な状態になっているということで、日本で言えば「2ちゃん」の一部のように「無法地帯」といえる状態にもなりつつあるといえます。確かに、他のブロガーさんから紹介されて見た中国人のブログなどは、結構過激なことが書いてありますし、本当に大丈夫なのかと思うときがあります。もともと口コミや噂好きで、そういう方法で厳しい社会を生き抜いてきている中国人には、鬱積した数々の不満を簡単に表明できる点で、ぴったりニーズに合っているように思えます。ブログなども政府の検閲があって、人海戦術で削除していると聞きますが、Web2.0的なものがどんどん拡大していくと、今の中国さまの体制など簡単にひっくり返りそうな気もします。そういう可能性についてどう思うかと、セミナーの講師に質問してみましたが、「実際は政府も止められないのであきらめている」といったような主旨の答えでした。なんだか、もう中国さまという国はすでに崩壊してしまっているんではないかとも思ったりしました。
ついでに「無法地帯」といえば、先週末かテレビのニュースでこういうのがありました。上海郊外の嘉定区の工業団地(経済開発区か)で操業している日系の工場が、急に区の政府からF1レース場を拡大するので立ち退け(この区にF1のレース場があるようです)、と言われて困惑しているという話でした。もともとここは外資を誘致するために工業団地としているところのはずにもかかわらず、上海の他地域が万博で潤っているのに自分の区はその恩恵にあずかれる地域ではないということで、F1のレース場の拡張を決めたのが理由だそうです。自分で来いと言っていながら、急に出て行けという話が、一番進んでいる上海郊外でもあるということは少々信じられません。まあそもそも法律的概念がしっかりしている国から見ればそういうところは「無法地帯」なんでしょうが、法律の存在すら意識したことのないところでは普通なんでしょうね。
昼間にまた別の場所でインドと中国の比較の話を少し聞きましたが、インドの方がよっぽどまともなところのように聞こえました。日本の企業も中国さまのような国にノスタルジックな気持ちを持つのは早くやめて、もっとメンタリティが近い国でビジネス(旅行に行くのはいいですが)を考えたらいいんではと昔から思ってます・・。
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