実家でとっている「東京新聞」の一面にこんな記事がありました。まずはウェブサイトから引用。
中国エイズの実態訴えたい 高耀潔氏
【北京=平岩勇司】中国のエイズ問題を長年告発し、米国で人権賞授賞式に向かおうとして自宅軟禁された河南省鄭州市の元産婦人科医、高耀潔氏(80)が二十三日、北京で本紙のインタビューに応じた。軟禁解放後、日本メディアの取材を受けるのは初めて。
高氏は「河南省政府が私を軟禁した。エイズウイルス(HIV)感染を拡大させた省政府の責任を、私が米国で明らかにするのを恐れたためだ」と説明。省政府は軟禁を解いた後は態度を一転させ、高氏に「一緒にエイズ対策に取り組もう」と提案しているという。
中国では現在も、有償で献血する「売血」や手術時の輸血によるHIV感染が後を絶たないと指摘。腐敗した地方役人が売血に関与し、被害を訴える市民は次々と拘束されており「他国のエイズ禍と異なる中国の実態を訴えたい」と述べた。
高氏は一九九〇年代後半から、河南省の農村でHIVに感染した農民を自費で治療し、省政府の責任も追及してきた。ヒラリー・クリントン米上院議員が名誉会長を務める民間団体の人権賞を受けることになり、三月十四日にワシントンで行われる授賞式に出席する準備をしていた今月一日に自宅軟禁され、十六日夜に解放された。二十五日に渡米する。
ウェブの方は細かく書いていませんが、新聞の方は、この他にも上にある「河南省政府が軟禁した」ときの状況について本人がもう少し詳しく説明しています。河南省政府の相当上のほうまで売血の裏金なんぞが当たり前のように流れる仕組みになっているということで、省の役人は何とか隠そうとしたわけですが、何らかの形で中央までこの話が伝わって、さすがに胡錦濤や温家宝レベルがこれはまずいと思ったのでしょう、手のひらを返したように省の対応が変わったということのようです。
しかし、貧しい国などでHIVが蔓延するのはある意味理解できる部分はありますが、高氏の言っている「他国と異なるエイズ禍の実態」のように、中国の場合は売血が特にHIV発生の最大の原因のようです。他にも臓器売買などの話もよく聞きます。役人がそういう状況を知りながら自分の利益のみしか見ず、病気が蔓延したり人が死んだりしても気にもしない態度というのは相当腐ってますし、文明国以前の問題だと思います。こんな国に日本の大企業はどうしてこぞってカネをいまだにつぎ込もうとしているのか、日本の企業のモラルも所詮そんなものだと嘆かざるをえません。
唯一、中国にも高氏のような立派な人がいることがわかったことだけが救いです・・・
さて、この流れで明日からは北京駐在時の悲惨な経験をシリーズで書きたいと思います。というのも、その悲惨な事件から明日でちょうど10周年、その日はトウ小平氏死去後に行われた「追悼会」の日でした。。。
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