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テーマ:中国&台湾(3303)
カテゴリ:中国
1997年2月25日、トウ小平追悼会の夜の悪夢、続きです。 ----------------------------------------------------------- 案内役のタクシーのあとについて、我々5人は会社の乗用車に無理やり乗り込み(後ろの席に4人乗ったかもしれません)、カラオケ屋に向かいました。その店の外観はあまり記憶にありませんが、あまり高くない雑居ビルのようなところの地下に入ったところだったかと思います。店に入る前に、値段を確認、確か個室を使うと5人で1時間1000元くらいで飲み放題という感じだったかと思います。この程度の価格は当時の北京のカラオケ屋では平均的な値段だったので、大丈夫そうだということで事務所のL運転手を待たせて店に入りました。値段の話はL運転手も一緒に横で確認していました。 中は普通によくある、結構広い店で、大広間のような部屋と、周りに10人前後入れるような部屋がいくつかあったと思います。他の個室では歌っている声や騒いでいる声も聞こえたので、「自粛日だけあって逆にこのように開いている店が混んでいるんだな」と思ったりしました。個室に通されると小姐たち5人もやがて席に着き(別にやましいことは何もないので事実そのまま書いています)、とりあえずビールを何本かたのみ、簡単なナッツ系かフルーツがつまみとして出てきました(大体こういうのが定番です)。1時間くらい何を話したのかまったく記憶にありませんが、通常行っているカラオケ屋と何ら大きな違いはなくそのビールを飲みながら普通に過ごしました。ただ、小姐たちが勝手に別の何かをグラスで飲んでいるような気がしましたが、我々は誰も特に気にも留めませんでした。 さて、1時間くらい経過したところで、何となく自粛日ということもあってそれほど盛り上がらなかったので、そろそろ帰ろうと思って小姐の一人に「マイタン!(お勘定)」を頼みました。すると、一気に5人いた小姐が全部あっという間に出ていってしまいました。普通こういう場合はその他の小姐は残って、最後まで客の見送りをするのが常ですが、我々5人を残してあっという間に全員がいなくなったのです。すると、間髪を置かずにいかつい感じの男が何人か部屋に入ってきました。そして金額の書いた紙を我々に見せます。
「2万元」(=約30万円)!
我々は当然冗談だと思って「2万元って何?間違いでしょ。」と軽く交わしましたが、急にその男の表情が一変、「2万元だ!払え!」という高圧的な態度に変わります。こちらも「何を言っているんだ!ビールしか飲んでないぞ!」と当然反論しますが、そうすると向こうは厚紙で作られたメニューを持ってきて、「ここに『XXという酒、1オンス3000元』って書いてあるだろう!」と言ってきます。確かにそのメニュー表にはそのように書いてあります。これを見てわかりましたが、最初からぼったくるつもりでこの高い酒(ブランデーだったと思います)を小姐に無理やり飲ませたのではないかと思います。後で思えば小姐たちが一生懸命飲んでいたようにも思えます。そもそも一般メニューとは別にぼったくり用のメニューが用意されていたわけです。 その後、当然のことながら双方で激しい口論になりました。向こうはさらに体格のでかい男が数名増えて圧力をかけてきます。こちらは「そんな高い酒は我々は注文してない。勝手に小姐が飲んだだけだ」と主張、向こうは「メニューにちゃんと書いてある値段のとおりだ」と主張して一向に譲りません。こちら側は中国語が一応話せるのは私と、正義感の強いK係長が少々というだけで、多勢に無勢になってきます。こちらは表で待たせているL運転手もいる場で値段を確認してから店に入ったので、店の男に「うちの運転手を呼んで来い!」といって食い下がりました。何とか表にいたL運転手も店に入れさせましたが、結局埒が開かず、最後には向こうの男たちは「今持っているカネを全部出せ!」「払うまで部屋から一歩も出さないぞ!」「ひとりずつ別室に連れて行って荷物を開けさせるぞ」「言うことを聞かないとてめえらの手足をへし折ってやるぜ」「それまでこの部屋にいろ!」と罵詈雑言を浴びせられ、そう言い残すと男たちはうちの運転手も連れて部屋の外に出て行きました。このあと、この部屋に2~3時間監禁されることになります。 ああ、やっぱり「自粛日」にこんなところに来るんじゃなかったと思っても後の祭り・・・(続く) 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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