昨日のニュースで途上国から日本へ「技能研修」という扱いで来る研修生の厳しい生活のことをやっていました。途上国といっても大半は中国の農村出身者。日本へは企業での研修生という枠で来るわけですが、事実上は日本の中小企業の安い労働力ということで酷使され、逃げ出す研修生が激増しているという問題を指摘する内容でした。中国側もいわゆる3K的仕事は都会の人はやりたがらず、農村から人集めをする専門の会社が中間マージンをしこたまとって日本へ派遣してくるわけです。そういう農村の人たちは借金して斡旋会社にカネを払わされ、日本に来たら相当悪い条件で働かされ(といっても中国の農村や女工哀史的工場で働くよりはずっといいんでしょうが)、待遇に耐えられず逃げ出し、最後は不法就労者になり路頭に迷うということです。日本の中小企業がこういう人を雇わざるをえないのは、競争相手が中国に工場を作ったりして日本での競争に負け、下請け企業にはこういう手段を使うしかないということのようですが、何かが間違っている気がしてなりません。
前に北京に駐在していたとき、スタッフ採用のため面接を結構行いました。そのうちの一人にはたぶん上で書いた斡旋会社の日本の出先のようなところで、失踪した中国人を探し出す仕事を日本でしていたという、当時30歳前後の女性でした。日本のかなり田舎まで行って、そのような失踪者を探し当て、説得して本国に帰す仕事ということでしたが、当時そんなことがあるとは知りもしなかったので、結構衝撃を受けました。この女性は残念ながら採用できませんでしたが、若くして人生の表と裏を見たような感じで同情の念を覚えました。
そういう人たちの一方、仕事をすることを何だと思っている輩も思い出します。やはり駐在時に外国企業向け人材派遣会社主催で「人材交流会」、日本的に言えば「合同会社説明会」というようなものに会社として参加して採用を行ったこともあります。場所は北京最大の国際展示場で、ほとんど展示会のように各社が出展、うちの会社は最小規模のブースでポスターを貼るくらいのものでしたが、大手メーカなどはほとんど展示会のような大きなブースを出していました。確か2日半くらい週末をまたいで行われるのですが、1日あたりの来場者数は数万人という莫大な数で、うちの会社の小さなブースでも全部で300名分くらいの履歴書が集まりました。
しかし、そこに来る輩といえば有象無象な者も多く、もちろん熱心に自己アピールしたり、多量の履歴書を各社に配りまくっている人は中にはいますが、ほとんどデートの途中で気楽に来たような態度のでかい奴や、本人は日本にいるので代わりに来たという過保護な親もいたりして、真剣に仕事を探そうという姿勢の人は少数派でした。あと、日本語のレベルがかなり高いことを履歴書に書いているのに、日本語で直接話してみると全然ダメという人も多かったです。
まだこのような「人材交流会」なるものは大都市で行われているのでしょうか。最近は中国も就職難と言われていますので、学生たちももう少し真剣になっていればいいのですが。。
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