久しぶりに本業の中国+ITネタです。中国のIT関係の情報を現地のサイトを巡回してほぼ毎日動向を確認するのが仕事のひとつですが、この分野に限らず最近の中国では「創新(Chuang4xin1)」という言葉が頻繁に出てきます。
「創新」というのは、日本語で通常「イノベーション」と訳しますが、この言葉、私としては結構好きです。日本語でも「イノベーション」という言葉は、この業界ではよく使われますけど、カタカナなのであまり深く頭に入ってこなかったり、あるいは「技術革新」と訳されて技術的な面の変革という狭い範囲の言葉としてとらえられてしまっている感があります。また、「革新」といってしまうと、古い冷戦時代の左翼みたいな印象を与えてしまいます。
中国語の「創新」は、もちろん中国国産技術の変革という文脈でもよく使われますが、それよりも「今までのしがらみを気にせず、新たな発想を生み出す」という感じで使われることもしばしばです。中国の今の国内の現状は、相当な格差問題や最近の新疆ウイグル自治区の暴動などさまざまな問題があるわけですが、その一方でいろいろな分野でこれまでのしがらみにとらわれず、斬新な発想でいろいろな取り組みが行われていることも、良かれ悪しかれ事実であろうと思います。
日本のように、過去からのしがらみにがんじがらめになって、新しいことがやりにくかったり、あるいはしがらみという既得権益にしがみついていたり、またあるいは技術面では最先端のイノベーションをしても、世界とはかけ離れた方向に行って孤立した結果、成長ができなくなり化石化してしまうガラパゴス化という状態になったりというのと違い、中国の場合は明らかに短期間でさまざまな「創新」が行われていると感じます。
もちろん、「創新」が実際には他国の技術のモノマネ、パクリだったりすること、あるいは政治体制の違いなどを無視することは問題外ですが、そのような新たな発想、それを行動に移す速さというのは、日本も見習うべきであろうかと思います。最近のグローバル化というのは、実際には世界が中国化した結果のようにも思わなくないですが、そう考えると日本のみが中国化が遅れているのかもしれません。ただ、鎖国状態でガラパゴス化するのでなく、日本の周りの状況をよく理解したうえで自らを世界で貴重な存在であるガラパゴスであることを自覚したうえで売りにしていくことが、日本の進むべき「創新」ではないかと思っているところです。
日本も今月末にはもしかすると、がらっと「創新」されるかもしれませんね。。
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