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まりんの我楽多箱

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2007.11.27
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カテゴリ:

ここ二週間ほど、胸に大きな塊がつかえているような重苦しいさが、
ずっと私の心を沈ませています。
パソコンに向かって、仕事をしようとしても・・・ついつい気になってしまい
思うように仕事が捗らずに困っています。

それの大きな塊とは、迷子のコリーの太郎君(アルファ)君のことです。
太郎君について、私が書いた過去ログは、こちらと、こちらです。

全く見ず知らずのコリーですが、どうしても気になって仕方がありません。
私がコリーを飼っているからというだではなく、
私も先代の雄コリーが迷子になった際に、雨の中を朝方まで探し回り
保護センターへも探しに行き、その翌日に倒れて入院した経験があるからです。

しかも、太郎君は飼主がリミットまでに探し出せなかったという理由で所有権は消滅。
保護センターから引き出して下さった愛護団体のものとなり、
返して貰え無いというのです。
一歩間違えれば、私も自分の愛犬と二度と会えなかったかもしれないのです。
でも、そんなことが普通にあっていいのでしょうか?

ここ二週間、ずっと考えていました。

もちろん、こうしたボランティア団体さんがいてくれるから、
悲しい殺処分から救われる命があるのです。

あの日、あの時、自分の犬を探しに行った保護センターで、私は・・・
私に助けを求めてくるあの犬達を・・・
犬違いだったあのセーブルの雄のコリーを・・・
一匹も救い出すことはできませんでした。

自分の犬すら見つけ出せていない私には、
泣く以外に何もすることができませんでした。
ですから、実際に活動されているボランティア団体さんの活動を批判するなんて、
私にはとてもできないと事だと思っています。

なので、この太郎(アルファ)君問題も、ネットで活字にすべきか本当に悩みました。
でもやっぱり・・・違うと思うのです。

たったひとりの人が自分のできる範囲で活動している分には、自分の判断行動し、
自分だけのマイルールで決断するのがベストだったかもしれません。
けれど、ひとりの人の小さな慈善活動に賛同する者が増え、
それが大きくなり組織となった時には、
発起人の判断・マイルールが規則が全ての組織では、
教祖が全ての新興宗教組織と同じ状況になってしまいます。
常識とは、必ずしも正義とは限らず、多くの人が賛同する認識が常識となります。
偏った考えの人が集まれば、その組織の常識は、社会の非常識ともなるのです。

せっかく正しい、善意の活動をされていても、社会通念から離れてしまっていては、
社会から否定されたり、活動そのものがしにくい状況になることも有り得ます。
組織が大きくなれば、なるほど、それは活動を始めた発起人だけの組織ではなくなります。
急成長した会社が起業した創業者の手に負えなくなるように・・・
そう、老舗和菓子屋さんの【赤福】の昔ながらの「もったいない精神」が、
今の社会には受け入れられず、休業に追い込まれたように、
自分達の考えが受け入れられなくなることもあるのです。

今回の太郎(アルファ)君問題について今回、その団体さんから
経緯と詳細を説明する記事が、団体のブログに掲載されていました。
外野である私達には事実が見えて来ないので、
何もコメントできないと思っていましたが
このように当事者の方からの活字による説明が掲載されていので、
みなさまにもこの事実について知って頂き、考えて頂きたいのです。

太郎(アルファ)君を保護された団体のブログ記事1

太郎(アルファ)君を保護された団体のブログ記事2

やっと、見つかったと思った愛犬は、既に保護団体に引き出されていた。
里親も既に決まっており、虚勢手術、マイクロチップ埋め込み手術がされる予定。
喜んで、「保護して下さってありがとうございます。私の犬です。」と名乗りでした。
が・・・・
「よって、この犬につきましては、たとえ飼い主さんがいらっしゃったとしても、
飼い主さんの犬の所有権は消失しております。
ご理解いただけますよう、よろしくお願い致します。」
というメールで拒否されてしまった・・・・。

そんなことで納得できる飼主がいるでしょうか?
むしろ、そんなことで納得できる飼主なら犬を飼う資格なんて無いです。
「はい、そうですか」と新しい犬をまた飼うかもしれません。

でも、それでいいのですか?
殺処分になりそうな犬をとりあえず救えば、それでいいのですか?

今の日本の社会では、犬は飼主無しでは生きることはできません。
飼主さんをないがしろにして、人の心をないがしろにしていては、
また不幸な犬を増やす人間を増やすだけなのではないでしょうか?
飼主さんに返せない理由があるなら、せめて本人に合って説明すべきでしょう。
命を救ってあげたから、法的には所有権はこちらにあるから納得しろ?
今まで愛犬と過ごした数年間をその一言で無かったことにしろというのでしょうか?

幸い、我家の先代犬は一週間で見つかりました。
3ヶ月間入院していた私が退院した日に元気に私を出迎えてくれました。
そして、先代が11歳目前で虹の橋を渡った時に、もう二度と犬は飼うまいと考えました。
私の病名はガンでした。発ガンした年齢が若かったので、再発のリスクも大きく、
余命5年と覚悟して生きていました。
しかし、再発もなく10年が経過し、
晴れてガンの再発リスクから開放され普通に生活し
今の旦那さまで出会い結婚しました。
3年前に家を建てた際に、犬を飼ったことのない旦那さまが、
「どうしても犬を飼いたい」というので、再び犬との生活を決意したのです。

迷子にさせた苦悩、犬を飼うことの責任、人一倍考えて飼ったつもりです。
きっと、太郎君の飼主さんだって同じだと思うのです。
できれば、返してあげて欲しい。かけがえない家族なんですから。。。。

保護した時の様子で、あまり良い環境で飼育されていなかったと判断されたそうですが、
コリーのように繊細な犬は数日で人相は変わってしまうものです。
コートも数日ブラッシングせずに戸外をふらふらしていれば毛玉になります。
ミルキーのようにお腹が弱ければ、食餌が合わないだけでも数日で体重は激減します。
それは、このブログを読んで頂ければわかると思います。

今まで、この団体の活動の妨げになってはならないと思って
記事にすることもしませんでした。
太郎君に関する記事の転載希望の依頼もお断りしてまいりました。
けれど、この太郎(アルファ)君を保護された団体のブログ記事2を読んで、
我慢ができなくなりました。

「高齢者の方が、まだ若いコリーをこれから十数年、終生、
健康で安全な暮らしを与えられるのかを考えました。」
とありますが、
飼い主の年齢で犬を飼って良い、飼ってはならないと決める権利が誰にあるのでしょう?
私は、まだ若かったですがガンの再発の恐れがありましたし、
年配でも元気な方はいくらでもいらっしゃいます。
また、
「センターから犬猫の引取りを続けるという当会の活動の目的は、
苦しいガス室での殺処分から1匹でも多くの子の命を繋ぎ、
二度とこのような辛い思いをしないよう、命の危険にさらされることがないよう、
適切な環境下で、良識と愛情あるご家庭のもと、天寿を全うできるよう、
犬猫たちを送り出すことにあります。」
とありますが、
太郎君はたまたま庭の隙間から逃げ出して迷子になっただけです。
太郎君の家庭が「良識と愛情あるご家庭」ではないと
判断する根拠はなんなのでしょう?

太郎君のお父さんはネット弱者です。パソコンは使用されていません。
今回のことも、ネットでの情報を得られず、地元の広報に探し犬広告を出して
ネット情報と広報の両方を目にした方が太郎君の飼主さんに知らせたのだそうです。
そんな環境におられる太郎君の飼主さん本人と話し合うこしはおろか
電話で話すことすらせず・・・一方的に里親への譲渡を薦めるという団体の方針。
この方針に違和感を感じ、疑問を持たれた方も少なくないのではないでしょうか?

命を救う活動は素晴らしいものです。並々ならぬご苦労もあるでしょう。
けれど、その苦労と忙しさに忙殺されて、
本来のあるべき姿を見失ってはいないのでしょうか?

全ての犬を殺処分から救うことはできません。
飼主が自らそうした処分所に連れてくるケースもあるのです。
また、捨てられる犬も少なくないでしょう。
けれど、迷子はそれらの犬とは違うのです。帰るべき家があるのですから。
帰るところのあるものを返えさず、取り上げることで、
帰るべき場所の無い犬の行く先がひとつ減るのではないでしょうか?

犬の幸せは人間の幸せと表裏一体です。犬は愛されてこそ犬なのです。
愛してくれている飼主から引き離されて幸せになんてなれません。
命を救ってあげたから、なにをしてもいいはずはありません。
人の心を見失って目先の犬を救っても、不幸な犬は減りません。

飼主の飼い方が間違っているのなら、きちんと指導して返してあげるべきでしょう。
そうすれば、その人はより良い飼い主となって次に犬を飼う時はもっと良い
認識の高い飼主に成長しているでしょう。
もしかしたら、里親になってくれるかもしれません。

高齢が返させない理由とのことでしたが、飼主さんは50代だと聞いています。
高齢化社会の日本では、50歳なんてまだまだ若い、鼻たれ小僧だと笑われます。

まだまだいっぱい書きたいのですが、
私の知っている情報がどこまで正しいのかはわかりませんので、
団体側の公表している内容以外には言及できません。

日本には、こうした愛護団体はたくさんあると思われます。
みなさん本当に頑張っておられることと思います。
けれど、私達のような愛犬家にはあまりにもわからないことが沢山です。

保護センターで保護期間ギリギリで愛護団体さんに引き出された場合は
その時点で、飼主の所有権は消滅するって知っていましたか?

どんなにしっかりと管理して飼っていても、なにがあるかわかりません。
はぐれてしまうことだってあります。迷子札だってとれることも・・・
首輪やハーネスが抜けてしまうことだってあります。
もしも、飼主が探し出す前に誰かに拾われたら・・・
太郎君のようになることだって充分あるのです。

法律では犬の命や権利は守られていません。法的には"物"扱いなのです。


今回の太郎君の問題のよう状況に至ったのは、
団体さんの方針に問題があるからなのではなく、
日本の社会でのペットを取り巻く環境と、
それを統括する行政に問題があるのだと思っています。
保護団体さんは、法律の枠内で自分達にできる精一杯で頑張ってらっしゃいます。
どんなに法的な不備があろうとも、それに遵守して活動するしか無いのです。

少子化、高齢化の社会ではペットを取り巻く問題は決して些細な問題ではありません。
ペット達は、今のストレス社会で暮らす
私達のメンタル面を少なからず支えてくれる存在なのです。
ペットを飼うみなさんで、この問題をしっかりと考え、私達ひとりひとりが
愛するペット達のために何ができるか考えるべきなのではないでしょうか?
だって、彼らには自由も無く、与えられるものを食べ、飼主の気分で行動を決められ
ただひたすら人間のためにだけ生きてくれているのですから。。。






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Last updated  2007.12.18 04:32:43
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