カテゴリ:映画
暗い主人公と淡々とした話。
とにかく暗く、そして詩的。 ちょっと読みつかれる感もあるけれど、 言葉の操り方にとても魅了される一冊。 何度も読み返したら、その度に味の出る するめのような作品。 この孤独さ、そして孤独で、客観的で冷静なのだけれど、 いたく素直な、オトナコドモな感じが、 故菜摘ひかる嬢の書くそれとすごく似ている。 好きなのに別れるという、 救いようのない選択肢を選ぶ女はきっと少ないだろう。 そんな少数派の彼女たちの小説は 本当に救いようがない。 なのに、希望が見えてくるから不思議だ。 以下、著書より抜粋。 言葉の魔力に取り付かれそうになったなら、 是非購入して読んでみるべし。 :恋人は泊まっていく日もあるし帰る日もあるのだ。 :私は浮かれて散歩に出たことをあやうく後悔しそうになり :すんでのところで戒めた。後悔は嫌いなのだ。 :帰り道、私は注意深く来た時と別の道を歩いて帰る。 :上手く一人に戻れるように。 :どんなに愛してるか囁きあう。 :それはほとんどゆるやかな自殺のようだ。 :彼は私を愛している。私はそれを知っている。 :私は彼を愛している。彼はそれを知っている。 :わたしたちはそれ以上何も望むことがない。 :終点。そこは荒野だ。 そんなに好きなのに、彼は離婚などしない。 彼女はそれをわかってる。 だから悲しいだけの関係。 堕ちるしかない本なのに、 美しい言葉の数々に心を動かされるのも現実。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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