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今回の衆院選挙では、子育てする家族の応援を政策の目玉に掲げた民主党と公明党がいずれも議席を減らした。理由は様々だろうけれど、なんとなく子持ちとしては、世間の人々に見捨てられたような気になる。
じつは、子ども関連は確実に票が集められる施策にならないことは、数字から明らかだ。1970年に児童のいない世帯はまだ45%にすぎない。1985年代までは50%代に何とか収まっていたが、いまでは70%を軽く超えている。子育てにかかわっていない人こそ、多数派なのである。数が全ての選挙では、初めから負けている。特に、大都市では77%もの世帯に子どもがいない。逆1区現象の原因の一つになっている可能性だってある。 そういうことを分かっていて主要政策に掲げたのかどうか知らないが、「自分にはいま子どもがいないけれど、少子化は心配だからせめてお金で子育てを応援しよう」と思う人もあまりいなかったということになる。民主党が争点にしようとした年金問題も、世代間の公平にかかわってくるので、子ども施策とは密接なつながりがある。こちらもウケがよくなかった。 もしかすると年金のことを不安に思うのも子持ちだけなのでは?考えてみると、今多数を占めている大人はもうすぐ「もらう」側である。当面さしせまってもらえなくなることはなさそうだとみんな思っているだろう。私の年金制度への不安は、むしろ「払う」側の子ども達への気づかいなのだ。 子どもがいなければ気にならなくてすむことが、世の中には実にたくさんある。遠い将来に備える施策とは、次世代以降をいつも念頭に置いているわけで、その世代には近しい人がいない(つまり子どもがいない)、となったら想像力を働かせられるかどうか、私にも自信がない。「現在」の数で「将来」への政策を決める政治制度の限界だろう。 いまや子育てする家族は少数派(マイノリティ)となった。多数派(マジョリティ)だった時代の意識を捨て、覚悟を決めて暮らさなくてはならない時代を迎えたようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/09/14 11:02:38 PM
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