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明けましておめでとうございます。もう元旦はすぎてしまいました。
今年は東京を離れガーデナーも引退します。昨年にようやくこれまでの仕事をまとめた本を出版できたので、そろそろ私が4半世紀考え続けてきた環境と生活様式という問題に研究の中心領域を移していこうかな、と考えています。20年前から仕事でかかわっていた地球温暖化(気候変動)問題はすっかり政治問題となり、身近な話題となりました。それなのに、どうしたら気候を変化させなくてすむのか?という問いへの答えは相変わらずよく見えてきません。 昨年度たくさんのインタビュー調査を経験して心に残ったのが、少しでも答えがわかっていたら教えてもらいたい、という多くの意見でした。ここ数年大学の講義でも話してきましたけれど、なかなか研究論文にはならないHow toにも語ることに意味があるんじゃないかと思い始めました。私は「まだ何もわかっていない」「まだ書けない」とずっと考えていたけれど、少しでもわかったことを書いていかないと間に合わないかもしれない。 それに、やはり環境問題にはウソが多い、というのは事実だと思うのです。「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という本がベストセラーになったり、著者の武田さんがテレビのバラエティに出てウケたりしているのは、なんとなくみんながうさんくさいと思っていることを、言葉にしているから。私は最近の彼の著作には疑問点がありすぎると感じていますが、「リサイクル幻想」までの議論はおおすじで正しいと理解しています。環境派vs温暖化懐疑派で水掛け論をすることほど後ろ向きな事態はありません。そこで私も違う切り口から言葉にしてみよう、と心に決めたのです。 さっそくですが、元旦の東京新聞一面に気になる記事がでていました。「車は西口 お買い物はバス 新宿でパーク&ライド」でCO2が削減できると都が計画しているというニュースです。これはかなりおかしい。もともとパーク&ライドは、都心への車の乗り入れを減らすという目的のためにある方式。なのに西口から東口への移動をバスにしてその分を減らす、という計画なんですよ。結局渋滞解消が主な目的だと思うのですが、問題は西口の駐車場がオフィス街のために休日は閑散として約8千台あって空いているのを活用する、というところにあります。この駐車場を東口のデパート客のために開放したら、買い物客の利便性は向上するかもしれませんけれど、これまでは、混んでるから電車でいこう、といってた客が遠方から車で来られるようになるわけです。これでどうやって二酸化炭素排出が減らせるんでしょうか?デパート業界はほくほくでしょうが。 なんの疑いもなく都の発表をうのみにしてこういう記事が書かれてしまう。 耳障りのいい言葉の影には必ずといっていいほど産業界の思惑がありますが、行政ははっきりものをいいません。気候変動問題とは、もちろん「私たちの」問題であるとはいえ基本は「彼ら」の問題です。1人1kg減なんてまともに受け止めていると、ずっと繰り返されてきた公害問題と同じように、責任の所在をごまかされますから、気をつけないと。 ではでは、今年もよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/01/04 11:42:17 PM
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