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品田知美の空中庭園

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Ayami0719

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カテゴリ:イベント
 ときどき軽く雨が降る涼しい夏の日曜日、ニューカッスル郊外の街Gatesheadで開かれているflower show に出かけた。名前につけられたとおり花が中心のイベントかと予想していた期待は少々裏切られたけれどいろいろと楽しめた。地域のあらゆる団体の出店が並び、アマチュア出品部門では野菜が種類ごとに品評されるかと思えば、手作りクッキーやケーキもずらずらと陳列されていた。優良なズッキーニやニンジンをどうやって選出してるのだか、謎であった。バラ部門とかまではなんとか理解可能なのだけれど。。。メインのフラワーアート部門では、完全に流行が「アジア色を取り入れたもの」になっていて、扇子や竹や仏像、果ては神社の鳥居をかたどったオブジェ!などを使ったものが軒並み高評価を得ていた。カメラ忘れて行ったのを一生後悔しそう(幸い携帯電話写真はあり)。BONSAI部門ももちろんあったが、評価の基準は日本と違いそうな気がする。BONSAIは出店も充実しており、だいたい地味なおじさんが店主。アジア人がほぼ皆無の会場でBONSAIを前に少なからぬ白人男性が何やら語らっている風景はかなり不思議にみえる。
 そう、ここは郊外の小さな街なのだ。バスでたったの20分ほど。中心市街地から離れるとアジアやアラブ系の人種が激減する。アジアは彼らにとって遠い神秘的な異国で、普段から顔をつきあわせている隣人ではない。flower showの会場はこの街にあるヨーロッパで最大の郊外型ショッピングモールからほど近くにある。今日の散策のもう1つのお目当てはこのモール。
 一時はニューカッスルの中心市街地を寂れさせたといわれるこのモールは、確かに巨大でそこそこ賑わってはいた。けれどどこかでみた風景なのである。郊外のショッピングモールは国境を越えて同じような表情をしているのだ。背景となる街が消え去ってしまえば、巨大なモールの中には店と人しかなく、そこを歩いている人の肌の色が違うだけでマクドやスタバ、最近は日本にも進出しているNextやHMVが並んでいたら見分けがつかない。実につまらない空間となるわけだ。店内ではイベントをしかけたり工夫もあるが、雨を心配せずにさっさと買い物をしたいファミリー層は集められても、若い子たちにはあまり人気がなさそうだ。車を自由に乗り回せない若者にとって、ここはアクセスがいいわけでもないから当然である。このモールにある店の多くが中心市街地にもあるとなれば彼らは街へ繰り出すだろう。
 ただし、都心へともどった人の流れが、再び郊外へと流れてしまう可能性もあるように思う。理由の一つは最近イギリス中を震撼させている若者のナイフによる殺人の多発である。都心で日夜路上でたむろしているティーンエージャーたちがナイフを持ち歩き、小競り合いから重大事件になるケースが相次いでいる。都心が危険な場所になってしまったら中流層は郊外へと退避するだろう。いまやロンドンはニューヨークより危険だ、といわれるくらい犯罪問題は彼らを悩ませている。
 ところで、日本では、若者は路上ではなく家庭で寝ている親を刺すようだ。以前書いた本の中で、引きこもりが問題化する日本と子どものホームレスが問題化するイギリスを対比させたことがあるが、若者の殺人の場所も日英の違いを象徴しているように思う。イギリス政府はもっと家庭に責任を追わせよう、という政策を匂わせてさっそく不人気を買っている。日本では夫を殺されているにも関わらず加害者の母親は学校に謝りの電話を入れる。家族に働いている強力な磁力を破壊するかのように子どもは親を攻撃する。どちらの子どもが幸せなのかはよくわからないが、両国で若者たちが攻撃的になっている、という共通のトレンドが発生しつつあるのかもしれない。

 
 





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Last updated  2008/08/04 08:37:55 AM
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