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出羽の国、エミシの国 ブログ

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2006年10月14日
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テーマ:日常の雑談(2757)
という公開講演会(人類学)があるのを新聞で知った。
聞きに行ってきた。

 主催が日本人類学会という少し
硬いイメージをもたせるところのわりに内容は 
一般人の私にもわかりやすいような講演内容だったと思う。

 旧石器時代から現代までの人類学のいくつかの分野を5名が講演した。

 興味深かったのが、”縄文人とアイヌは”人種”の孤島か?”という百々幸雄氏の講演。

 縄文人が原日本人でアイヌがその特徴を色濃く残していることは
様々なところで多くいわれていることだが、骨の特徴にもそれはよくあらわれているそうだ。
アジア人・ヨーロッパ人・アフリカ人と大きく人類を3つのグループに分けた場合、
骨の特徴からみると 縄文人・アイヌのグループは これらのどのグループにも入らないという。

 それを”人種の孤島”という言葉であらわしているが これまで縄文人・アイヌ人が白人であるとか
ミクロネシア系であるとかいわれてきて分類できないでいる理由にもなるという。

 眼窩上孔という目の上の骨にある孔の出現率など 人の骨の様々な
特徴(20以上)から分析をこころみているところがおもしろい。
医学の専門化からみる 細かい身体的特徴が多くあるのだということにも関心させられた。

 結論としては 縄文人・アイヌが どのように分類されるかは、
未知なところが多く 研究段階でまだはっきりわからないそうである。

 つぎは、”変化する日本人の身体”(河内まき子氏)の内容。

 統計的にみても日本人の身長の伸びは 明治以後伸びつづけてきたが
最近は成長が止まってきている。
それは工業化、生活環境、栄養の良さがそうさせたとかんがえられるのだが
最近の身長の伸びがにぶくなっていることを考えると 貧富の格差が
これをうらずけているのではないかという。

 過去にさかのぼって考えてみると 縄文人が弥生人より遺伝的に背が低い
と考えられてきた身長の差については こういう栄養などの要素でうらづけられ、
必ずしも遺伝的な要素によらなくてもよい。

 つまり、他の身体的特徴(顔など)は別にして、縄文と弥生人の身体的特徴は
民族的に入れ替わったと考えることばかりでもなさそうなのだ。

 確かに縄文人と弥生人の入れ替わりがあったと考える場合 
日本全国の広い地域ですべての縄文人が絶滅していなくなることは考えにくいし、
厳密にその境をどこで区別するのか、線引きにも課題がありそうな気がする。

 頭の”たての長さ”と”よこの長さ”の時代による比較の研究の発表もあった。
もちろん日本人はよこに広い割合が高い。
ヨーロッパ系の人は逆に縦に広いの割合の人が多い。

日本人の骨とルーツ
 時代によってその割合は変わり、最近の日本人は横に広い割合が増え、ヨーロッパ系の人は縦に長い割合が多くなっているのだという。

 ちなみに私の中学校の同級生に登下校用の自転車のヘルメットをかぶるのに
ふつうにかぶると入らないけれど、横にするとかぶれる女の子がいた。
笑い話のネタになっていたが、これからは そういう人が多くなのかもしれない。

 私の持っている本の中に主催者と関係が深い著者の本があったので参考として載せたい。<←>

 このような講演会に出かけたのは初めて。古代・古代史を解明するには
人間のDNAの解析も含めて様々な角度の研究があるのだなぁと思った。

東大安田講堂 開催場所は東京大学の安田講堂。
ちょっと型ばった古臭い言い方をすると 東大は日本の最高学府だし、
安田講堂は 放水(?)と学生運動で有名な歴史的な遺産。
私には敷居がとても高いのでは?と思ったが このような一般への開放も
無料にしてくれているので意外に身近に感じることができた。

<写真は安田講堂とイチョウ並木、子供連れや銀杏をひろっている人もいた。>





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最終更新日  2006年10月19日 00時51分13秒
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