カテゴリ:建築・庭園など
フェルメール展を鑑賞、鰻を食べ蓮の花を見た後も、上野散策は続きます。
夫と出かける時は細かな予定をたてても意味がなく、突然行動が変わります。 この日も、たまたま「旧岩崎邸 洋館の工事終了」の文字が目にとまり、不忍池から歩いてすぐなので行ってみました レトロな洋館は大好きです。 旧岩崎邸 洋館 [重要文化財] 今年 3月に外壁がクリーム色に復元されたこの堂々たる館は、1896(明治29)年完成の木造の洋風建築。(築112年!) 見た瞬間「シンガポールのホテルにありそうな…」と思うほど異国情緒が。 洋館と撞球室は、鹿鳴館やニコライ堂の設計で有名な英国人建築家ジョサイア・コンドル(Josiah Conder)の手によるもの。 三菱財閥岩崎家の本邸として、賓客を招いてパーティーが開かれる等、華やかな社交の場となりました。 対の柱、窓 J.コンドルの建築といえば、建具の隅々にまで行き届いた繊細な装飾が思い浮かびます ジャコビアン様式の階段 手すり他、装飾によく使われるアカンサスの模様で飾られています。 アカンサス(Acanthus)は葉アザミ。大型の葉を持ち、古代ギリシア時代から柱の装飾など建築のモチーフとして使われています。 衝立の模様 壁紙は立体的な“金唐革紙” 部屋ごとに壁紙、床の模様、天井、暖炉の装飾一つ一つが異なり、見所満載。 ウエディングケーキに絞る模様みたい…とか思いながらデザインをチェック。 婦人客室の天井 なんとシルクのペルシャ刺繍が施された布張り! アカンサスと薔薇、菊、鳥の模様等、32面のパネルは全て異なる図柄! 2階ベランダ 芝生の庭園が眼前に広がり、贅沢な気分に ↑1階客室の床は、寄木。材質は、樫・欅(けやき)・紫檀・黒檀・桑 右は和館の襖の引手 米国留学から帰国したばかりの若き当主岩崎久彌氏が、三菱の来客のための社交場としてこの邸宅を建設するにあたり、家具調度品のみならず室内装飾の全てに最高の一流品を求めた意気込みが伝わってくる所が、この館の大きな魅力ですね。 細部まで美しい装飾で彩られた今に伝わるこの邸宅を見れば、J.コンドルがその期待に十分に応え、雇い主を満足させたことは想像に難くありません。 (タイルは英国のミントン、トイレはロイヤルドルトンのものを使用) 各部屋、廊下の天井のデザインも見逃せません 書院造りを基調とした和館 大河喜十郎施工 日常生活はこちらで。 完成当時は洋館をしのぐ広さ 建坪550坪!(敷地1万5千坪) 現在そのほとんどが失われているのが惜しい…。 和室から見た庭園 ここで宇治金時 (600円・期間限定)をいただきました ふわっと削られた氷に抹茶のシロップ、白玉と小豆の王道。 この日はとても暑かったので最高に美味しかった~♪ 天井裏には水洗トイレ用タンクもあるとのこと。天井裏に続く扉つきの階段を見つけると、係の方が公開されていない部分についても詳しく説明して下さいました。 旧岩崎邸 台東区池之端1-3-45 03-3823-8340 9:00~17:00(入園は16:30迄 イベント等で変化あり) 休園日 年末年始 東京メトロ千代田線 湯島駅1番出口 徒歩3分・銀座線 上野広小路駅 徒歩10分 都営地下鉄大江戸線 上野御徒町駅 徒歩10分 JR山手線 御徒町駅 徒歩15分 入園料 建物・庭園共通 一般400円 65歳以上200円 <ジョサイア・コンドル> 明治政府の招聘で来日。工部大学校造家学科(東京大学工学部建築学科の前身)教授として西洋建築を指導。 東京帝室博物館、鹿鳴館、ニコライ堂建設をはじめ、後に民間で建築設計事務所を開き、財閥系を筆頭に多くの邸宅を建設。 J.コンドルの名は、以前から知っていました。 というのは、「今田美奈子食卓芸術サロン」主宰の、恩師 今田美奈子先生が湯河原に所有されている銀河館が、前述の東京帝室博物館(関東大震災で損壊・消滅)のJ.コンドル設計の部材を当地まで運び、再構成された建物だと伺っていたからです。 大幅に修復された銀河館は、レストランと、セミナー等が行われるサロンとして生まれ変わりました。詳細はHOUSECOのHP ★ 2008年8月現在は、工事中の為レストランは休業中。再開が待たれます。 <現存する主なJ.コンドルの建築> ◆六華苑(旧諸戸清六邸) [重要文化財] 三重県桑名市 ◆ニコライ堂(東京復活大聖堂)[重要文化財] 千代田区神田駿河台 ロシア人建築家の設計図を基に、コンドルが実施設計・監督 ◆綱町三井倶楽部(旧三井家綱町別邸) 港区三田 ◆清泉女子大学(旧島津公爵邸) 品川区東五反田 『元勲・財閥の邸宅』 『鹿鳴館を創った男 お雇い建築家ジョサイア・コンドルの生涯』 旧岩崎邸を見てみたい♪と思われた方は ↓をクリックして応援して下さいね☆ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓ ベルギー・フランス 夏のショコラとお菓子の旅2008 目次 へ 《ガレットのお菓子日記》 Home へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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