テーマ:スイーツ★スイーツ(13276)
カテゴリ:パティシエの講習
パティスリーキャロリーヌの中川二郎シェフは、プチガトーにフランス人の女の子の名前をつけることが多いと以前うけた講習会の所でも書きましたが、その中でも最も耳に残る響きの『アメリ』を今回教えていただきました
↑ 中国緑茶、胡桃、りんごの組みあわせ『アメリ』 Amelie 思わず「わぁ可愛い♪」と声をあげたくなるのに、中身は渋い (アントルメ仕立て) フランス映画の「アメリ」で聞きなれた名前ですので、スッと覚えられますね。 「アメリは15℃で召し上がると美味しいお菓子です」と中川シェフ。 ムースを使ったものは 3℃で食べると適温。では、何故アメリは15℃とやや高めの温度帯がおすすめなのでしょう? その答えは…。 アメリ 試食用は四角いカードルで作り、カット このお菓子には、たっぷりとバターを使ったクリームがサンドされるため、冷たすぎるとバターが締まり硬くなってしまいます。 ですから冷蔵庫から出したてをすぐいただくのではなく、少し室温にもどしたくらいが食べごろです その温度が15℃というわけですね。 バタークリームの作り方は何種類かありますが「クリームはそれ一つだけで主役になるわけじゃない」ため、組み合わせる生地や果物、ナッツ等とのバランスを考えてどのようなバタークリームが欲しいかを決め、それにあった作り方をするとおっしゃいます。 アメリに求めるのは“さっぱりしたクリーム”。 「組み合わせて自分なりのお菓子を作り上げていくのがお菓子屋の楽しみ」 中川シェフに教えていただくのはこれで4回目になりますが、今回はプロ向け講習ではなく一般のお客様が多いため、いつにも増して丁寧な説明が続きます。 キャロリーヌを開店する前に製菓学校の教師をされていらしたということもあり、理路整然とした解説は「中川シェフ」というより「中川先生!」という雰囲気。 「バターを扱う温度はとても大事。冬、室温で冷たくなる時はバーナーよりドライヤーで温めるのがいいですね。」 「風味が損なわれないように注意深く素材を扱ってあげた方がいいでしょう。」など、細かい所に気を使うことが大切という説明に、いちいち納得です。 そういう細やかな心遣いが、お菓子の美味しさに反映されるのでしょうね。 さて、そんな風にして作られた『アメリ』のお味はというと、上から下まで一気に口にすると、ふんわりしたバタークリームがアッサリしていておいしい! 中国茶の香りだけが突出するということはなく、やさしい味わい。 ナッツがザクザクッとした食感で主張し、りんごのコンフィはシャッキリ感が残っています。 一口食べただけで、バタークリーム、胡桃、りんごが使われているとはっきりわかります。ああ、もう秋の味覚ですね~。 そして次は、聞いたこともない新素材が登場! 『カリオール』 Carior トップにはホワイトチョコレートで飾りを サイドは美しい模様の雑貨を見つけ、それにピストレして模様を転写 お店で先週から販売開始というこの『カリオール』に使われている主な素材はカリカ、洋梨、アヴォカド。 注目すべき新素材は、南米チリ産の黄金の果実 カリカ(CARICA)。 パパイヤ科のフルーツで、アメリカではポピュラーになりつつありますが、日本ではまだネットで検索してもこの商品自体は出てきませんでした。今は超・レアな品ですね。 センターに入ったかなり冷たい状態のカリカ、洋梨、アヴォカドのジュレは、食べた時に「果物ゴロゴロ」。 全体的に淡く上品な味わいの中、薄くのばした底生地のサクサクッとした食感がアクセントに。(こんなに薄い生地なのに、存在感抜群☆) クレームにもカリカはたっぷり使われています。 隠し味のお酒の力で味がさらに立体的で奥行きのあるものに。 上にのっている黄色いもの↓が カリカ カリオール 試食用 そして3品目は、マンゴーピューレ入りパウンドケーキ。 ここでも中川シェフは、色々なパウンドケーキの作り方がある中から「マンゴーの味をしっかり出したい」という目的にあった製法を選びます。 風味をハッキリさせるため、あまり空気を入れない(膨らまない)作り方です。 『パン・オ・マング』 Pain aux Mangue 焼き菓子でも、上にデコレーションすると賑やかになりますね。 パン・オ・マング 試食用 この講習会の主催者は、Sweets Pleaseの小松崎喜美子さん。 “シェフのSweetsに対する想いを講習会を通じて理解し喜び(Please)を共感する”ことを目的に開催されている講習会は、今回で6回目。 会場は、おなじみの代々木上原のドーバー洋酒貿易の本社。 スイーツプリーズの講習会(参加したもの) ・マンダリンオリエンタル東京 五十嵐 宏シェフ ・ラ・ヴィ・ドゥース 堀江 新シェフ 今回は終了後にたっぷりと時間をとり、習ったお菓子について、またそれ以外の事にもお答えいただける質疑応答コーナーが設けられ、熱心な質問が飛び交いました。 中川シェフはひとつひとつに丁寧にお答えになります。 練馬の パティスリー キャロリーヌの中川二郎シェフ ※写真掲載許可をいただいています シェフの言葉の中で印象に残ったものの一つは 「われわれは、農作物を扱う職人ですから。」 農作物が相手だといつも同じ状態というわけではないので、農家さんとコミュニケーションをとり、その都度、美味しい状態のものを送ってもらうようにしているとのこと。 「信頼できる食材を使って美味しいものを提供するのが仕事」のため、どこで作られたのかわからないような物は使いたくないというお話でした。 いずれは地域の子どもたちにも(食育という形で)安全で美味しいものをきちっと伝えられるようになりたいという熱い想いも聞かせていただきました。 スイーツプリーズの講習は、シェフのお店の焼き菓子他 お土産つき エンガディナー、フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子 店名と同じ名のキャロリーヌ(細長い焼き菓子)も入っています♪ 華やかで可愛らしいデコレーションのお菓子を創りだす中川シェフですが、核となる部分は素朴な焼き菓子という所にしっかりとした基本の心を感じます。 パティスリーキャロリーヌ (Patisserie Caroline) 練馬区春日町6-10-28 TEL 03-3926-0711 営業時間 10:00~19:30 定休日 第三水曜日のみ 都営地下鉄大江戸線 練馬春日町から徒歩10分 地図 『7人のパティシエ』 桜井 修一、佐藤 均、高木 康政、寺井 則彦、中川 二郎、 堀江 新、山本 光二 (著者・アイウエオ順) 中川シェフの講習をうけてみたい!と思われたら ↓を押して応援して下さいね☆ いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓ 《ガレットのお菓子日記》 Home へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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