テーマ:スイーツ★スイーツ(13274)
カテゴリ:パティシエの講習
アプリコットを主役に、プラリネのクリームとアプリコットとパッションのクリームを組み合わせた『オール(ORE)』を、以前 世界大会2位のケーキとしてご紹介しました。
WPTC2008 で総合2位をとった時は、角柱の形。 2009年新宿伊勢丹のサロン・デュ・ショコラで販売されていた時は、下の写真と同じ型ですが、上には杏もアーモンドも何ものってはおらず、仕上げも少々違った形。 どんどんマイナーチェンジされ、進化を続けています。 2009年2月19日 和泉光一シェフの『オール』 ↑ 2月に和泉シェフの講習会があり、その時の一品が、なんとこのお菓子でした ↓ 2009年2月19日 1/3にカット断面図 サロン・デュ・ショコラで販売された時の写真は↓こちら。形・生地の分量など微妙に違いますね。 2009年1月20日 1/2にカット断面図 これに使われている生地は、この前の世界大会(WPTC2008)と同じ配合。 和泉シェフは「作り手にストレスがない、楽しく作れるレシピ」と説明。 世界大会のブースの中で、非常に難しいものを作らなければならないと思うと、その作業にかかる前からドキドキしてしまいストレスになるので、危険なものは避けるようにしている、とのこと。 「ぼくのお菓子は、ムースが多いのではなく美味しいビスキュイ(生地)を作ってムースをのっけていく」 『主張する生地』というタイトルのご本を出されていることからもわかりますが、和泉シェフは生地に対して、深い思い入れを持ってお菓子を作られています。 また、エピス(香辛料)やハーブの使い方について、コンクールでよく言われるという注意点の説明や、コンクールで陥りやすい「食感についての失敗」のお話は、非常に興味深い内容 さらに、仕込みから2時間くらいで試食ということもある大会では、時間をかけずに作業をするスピードが求められます。 その対極にある「昔やっていたのに今はやらなくなっている“時間をしっかりかけて素材から手作りする所”は、大事にしていきたいと思っている、と。 ↑ ※フランスでは、ある一定の労働時間が法律で定められており、手間のかかる作業ができなくなっているのが現状。 日本にはそういった法律はありませんが、「フタを開けたらすぐ使える便利な素材」がどんどん開発されているため、昔はそれぞれのお店で手作りをしていたものを買ってすませるような傾向にあります。 『オール(ORE)』という単語がフランス語の辞書に出ていなかったので、造語かと思い意味をお聞きしてみました。 ore=鉱石(金・銀・宝石など人間に役立つ鉱物を含む岩石) WPTCの大会はアメリカで行われるため、この単語は英語でした~! 2008年の大会の大きなテーマは「イマジネーション」。 日本チームは「自然」をイメージし、プチガトーの三品には、それぞれSTUB(切り株)、PETAL(花びら)、ORE(鉱石)と名づけたそうです。なるほど。 講習の2品目は大会とは関係ない伝統的なフールセック(乾いた焼き菓子) 『ツンゲル(Zungel)』 卵白で作った生地2枚にプラリネをはさんだカリカリしたクッキー この日、和泉シェフのアシスタントとして、入店してまだ一・二年目という若い女性がお二人いらしていました。 シェフと彼女達のやりとりが、じつにいい雰囲気。 和泉シェフは、作業の手を動かしながら職場のことについてお話を。 「一個のことについてちゃんと話をする」「皆を集めてよく話す」 「チームワークは『人を見て動け』と言っている」 「なるべく笑って仕事しようね」 「発言は好きにさせている。だめなことはだめって言っていいよ。それでいい所もあり、教えなきゃいけない所もあり」 「理由を言ってあげないといけない。そうしないと(人は)ついてこない」 「(彼女達には)申し訳ないくらい火傷があるんですよね。手は握れないくらいガサガサ。それくらいやっていても(お菓子作りの仕事が)好きっていう子じゃないと、ぼくの言葉は入っていかない。」 その他、和泉シェフの言葉の端々から、スタッフを大切に思う気持ちがしっかり伝わってきました。 菓子職人として美味しいお菓子やピエスモンテを作り上げるワザと才能。 それだけでなく、スタッフがついてくる指導者としての力量も必要とされますね。 一流の職人であり、一流の指導者としての和泉シェフの魅力の一端を垣間見たような気がしました 2009年2月19日 和泉光一シェフ ※掲載許可をいただいています サロン・ド・テ・スリジェ(フランス菓子スリジェ) 調布市小島町1-35-8 042-487-0675 営業時間 10:00~21:00 定休日 水曜日 和泉シェフのケーキはお持ち帰りのみ(イートイン席なし) ※和泉シェフは2009年春にスリジェから独立されます 『主張する生地』 講習で世界大会のお話が伺えるとは、なんと幸運な♪と思われたら ↓を押して応援して下さい☆ いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓ ベルギー・フランス 夏のショコラとお菓子の旅 2008 もくじ サロン・デュ・ショコラ2009 もくじ ガレットのお菓子日記 Home 食べログ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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