テーマ:徒然日記(23283)
カテゴリ:お菓子/グルメイベント
世界パティスリー2009 のテーマ「エコロジー」を、各チームがどのように表現したのか。
終わってしまった今となっては想像するしかないと思っていましたが、思いがけずフランスチームのお話を伺うことができました。 ◆アントルメの『ガイア(Gaia)』 ※このページの写真については全て撮影・掲載許可をいただいています 上に葉っぱがのり、スソが石で覆われたこのアントルメの名前はガイア(地球)。 フランスチームに監督のクリストフ・ミシャラク氏(プラザ・アテネのシェフパティシエ)も加わり、次のような粗筋が組み立てられます。 「人間による人口過剰・侵略による破壊に直面したガイア(地球)は、自然を武器に人間との戦闘を開始した」(要約) そして武器となる自然が、様々な美しいお菓子の形で登場します。 ◆デザート『エグゾティカ(Exotica)』 exotique=異国的な 温かいものと冷たいものを一つのお皿にのせるデザートでは、フランスチームの作品が登場したとたん「わぁ~」と、その繊細な美しさに溜め息が。 飴細工の透明感ある緑色の葉っぱの上にはチョコレート色のボール、下にはマフィンのように見えるチョコレートの帯を巻いたお菓子がありましたので、上はアイスクリーム入りのチョコボール、下がフォンダンショコラのような温かい焼き菓子?と想像したところ、まったく逆でした! 上は、温かいチョコレートソース入り揚げボール(ベニエ)、下は柔らかいスフレのようなビスキュイの上にバナナとココナッツのトロピカルアイス、バナナのキャラメリゼ、チョコレートムースが重なる冷菓。かなり意表をついてきました。 その写真は、世界パティスリー フランスチームの作品解説の中に。 実は、私が話をお伺いした翌日にこちらのHPがアップされ、詳しい説明を読むことができるようになりました。 会場にいらした方は特に感じられたと思いますが、解説していただけるのはすごくありがたいことです ◆プチガトー3種 左から順に 『コクシネラ(Coccinella)』 coccinelle=てんとう虫 クッキー生地にパンナコッタ、柚子ゼリー、苺ピューレのグラスデザート 飴の葉の上にてんとう虫がのります 『マルグリータ(Marguerita)』 marguerite=ひな菊 ピーカンナッツとキャラメルの食感がすごいシュー 『ニルヴァナ(Nirvana)』 nirvâna=(ヒンズー教)涅槃(ねはん) ミュール(ブラックベリー)を使ったチョコレートケーキ フランス語の単語の語尾を少し変化させ、お菓子の名前の最後が全て「a」で終わっている意味は? と尋ねると、まず最初にガイア(地球)とニルヴァナ(涅槃)が決定。 語尾を揃えたら統一感がでていいんじゃないかと考えたそうです。 そういうところ、本当におしゃれですねー。 ◆ボンボンショコラ2種 『フローラ(Flora)』 flore=花の女神 『サヴォーラ(Savora)』 saveur=風味、味 柚子のチョコレート、ミュール(ブラックベリー)のチョコレート ◆ガトー・ド・ボワイヤージュ(持ち運べる焼き菓子) 『ナチュラリア(Naturalia)』 naturel(le)=自然の 上には煮込んだパイナップル、下にサクサクの食感 箱も審査対象 そして、前のページでお話した ◆チョコレートと飴のピエスモンテ。 <All about Japan 洋菓子> ・ チョコレートピエスモンテの写真 ・ 飴細工ピエスモンテの写真 解釈は、ほぼ想像通りでした♪ 飴細工は「エコロジーを実践した結果に生まれた美しい自然の世界」 チョコレートは「エコロジーを意識しなかった為に汚く汚れてしまった世界」 さらに、美しい自然の世界の女神は、汚れてしまった世界へメッセージを(弓矢で)飛ばそうとしているそうです。 確かによく見ると飴の白い女神は、何かを飛ばそうとし、チョコレートの女性は受け取ろうと手をのばしているように見えます。 クリストフ・ミシャラク氏のHPにも、大会の写真がたくさん。 (リンク不可のようですので↓をコピーするとご覧いただけます) http://www.amabilia.com/blogs/passionsgourmandes/?p=1879 ↑この写真では、チョコレートの板にささったボルトまではっきり見ることができます。その周りに巻きつく食虫花(ハエトリグサ)も。 幸い、フランスチームの思いは知ることができました。 他のチームがこの大会に向けどのように考え、準備してきたのか、その結果「エコロジー」というテーマを作品にどう盛り込んだのかは、これ以上知る術はありません。 …知りたいですね! ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ この大会では、世界のトップパティシエの技をはじめ、数多くの素晴らしいものを見せていただくことができました。 一つ心残りなのは、最高の審査員団を得ていながら、彼らの声を全く耳にすることができなかった点です。 審査員(せめて審査委員長なりどなたかお一人でも)の口から、どの作品のどこが素晴らしかったのか、何に感動を覚えたのか、そしてエコロジーというテーマを一番表現していたのはどの点だったのか、説明をお聞きしたかったと、とても残念に思います。 味覚審査員の中には、「ものすごい巨匠」と大会実行委員の一人が口にしたイタリアパティシエ界の第一人者イジニオ・マッサーリ氏、フランス美食界のバイブルともいえる“Encyclopedie Culinaire”の著者で製菓,氷菓2つのM.O.F.のイヴ・チュリエス氏、フランスを中心にアメリカ,日本でもコンサルタントとして活躍中の製菓M.O.F.ステファン・トレアン氏らがいらっしゃいました。 また、大会アドバイザーにもM.O.F.のステファン・グラシエ氏が。 ざっと見渡しても、実績のある方々がぞろぞろと…。 せっかく数多くの作品を食べつくして下さったのですから、ぜひともその感想と総評を伺いたかったです。残念。 とはいえ、この日本の地で、世界大会を目の前に見ることができた幸せは大きく、それぞれの作品の素晴らしさに感動を覚えたことは間違いありません。 本当にありがとうございました。 日記という名で、世界パティスリー2009 実行委員会がおくる、大会までの道のり日記があるようです。 昨年8月のWPTC視察の所からスタートしていますので、大会当日まではしばらくかかるかもしれませんが、このブログが続き、各国の「エコロジー」に対する思いをいつか伝えてもらえる日がくる…かも? 世界パティスリー2009 現場レポート もくじ エコロジーをこんなふうに表現していたとは!と思われたら、 ↓を押して応援して下さいね☆ いつもクリックありがとうございます♪ 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 ↓ ↓ ガレットのお菓子日記 Home お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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