フランス革命直前、1780年頃に宮廷の貴婦人達が実際に身につけていたドレス、「
ローブ・ア・ラ・フランセーズ」などをごくごく間近で見る機会に恵まれました。
何人ものお針子たちの手が必要だったであろう豪奢な刺繍やドレープ。贅沢な絹織物だけが放つエレガントな光沢…。
これらの華奢な衣装を目の前にし、このドレスを着て豪華なシャンデリアの下で笑いさざめいていた女性たちが革命後にどんな運命をたどったのか、思いを馳せると切ないものが胸をよぎります。
「
祝祭の衣装展~ロココ時代のフランス宮廷を中心に」
会場入口に展示されていたパネル
目黒区美術館で行われていた「
祝祭の衣装展」(
資料 pdf)の最終日3月29日に、かけこみで見に行ってきました。
ロココ末期の18世紀を中心としたフランス宮廷といえば、まさに私の興味ある時代のどまんなか。
1789年の革命の足音がすぐそこまで忍び寄っているのに気づきもしない、華やかな貴族たちの宮廷生活を垣間見ることができます。
若干の小物と次の時代のナポレオンの戴冠式の絵画の復元に使われた皇后ジョゼフィーヌらの衣装「
エンパイアスタイル」のレプリカなどを除き、展示されていた衣装はほとんどが本物。
よくぞ残っていたものだと感動しました。
これらの衣装・靴・コルセット・レースなどは神戸ファッション美術館の協力ということでした。
「祝祭の衣装展」
会場全体を見渡すと、ドレスの色の落ち着いたトーンが感じられます。
現代にありがちなキラキラぴかぴかではない、少しくすんだようなグレイッシュな光沢。
この時代の織物の風合いの上品さに、改めて目を奪われました。
以前講義をうけた「
フランス宮廷の服飾史」のことを思い出します。
あの世界が、目の前に
衣装の中には、「
ローブ・ア・ラ・ポロネーズ」(ポーランド風のローブ)もあり、3つのパーツに分かれるドレスはポーランドにちなんで名付けられた、というような説明がありました。
ポーランド分割!
3度にわたりプロイセン、ロシア、オーストリアの周辺三国によってばらばらに切り取られてしまったポーランドの悲劇の歴史が、ドレスの名前になっている~
可愛らしい名前の裏に潜む恐ろしい歴史。ああ、怖い。
ローブ(robe)=婦人服、ドレス、ワンピース、裁判官の法服
(この時代では、女性が着用する前あきで背中にヒダがついたワンピース形式の衣装のこと。コルセットとパニエの上に着装。)
会場には扇の展示もあり、これもまた象牙などで作られた贅沢な美しい扇を使いこなしていた人々の行く末を思い、歴史の世界に浸ってしまいました。
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