本日で稲城も終了。半年という短いつきあいであったが、楽しく中世のことばについて考察ができたと思う(信じる)。こちらの大学も試験は教材・ノートすべて持ち込み可の応用力テスト。難しい……の声が続出。
サーヴィス問題と思っていた「上代特殊仮名遣い」の説明がなんとほぼ壊滅状態。音仮名表記・訓仮名表記の説明にインパクトがあったのか、「上代……」のあたりでみんなの意識が吹っ飛んだのか、懸命に「『万葉集』の音仮名表記」について説明している。おそらく“信頼できる”と思われた学生さんのノートが出回ったのだろう、判で捺したような同じ回答が散見された。最後に信じられるのは自分だけである(笑)。
演習授業のほうは試験ではなくレポート。これがまた受講生25名(2年生)が全員三段構成のレポートを作成し、書式の徹底化が垣間見えた。“文献に当たり、問題点を挙げ、それについて考察しなさい”という出し方をしてはいるが、きちんとその形を全員が踏襲しているのは基礎教育のどこかでそれがなされているからであろう。
わずか数ヶ月のつきあいだったが、能の鑑賞希望者が出たり、演習発表はほとんど立候補だったり、積極的に参加する学生さん達で、こちらも非常に勉強になった。