今月2つめの記録。勉強しろよ、自分。まぁ、それなりに調べごとは続いていて、どこに出すかのあてもないまま調べていることが幾つかある。
それはさておき、源三位頼政である。今日の宝生会春の別会第2日は小倉敏克さんシテの「頼政」で始まった。源平の合戦として捉えた時にはメインにならないが、宇治の合戦、そして頼政の周辺で渡辺党の人々の活躍とか、結構好きな話だったりする。「頼政」は頼政の自害をメインに、間狂言では宗盛の馬のエピソードを入れる。前場に名所教えがあり、宇治橋合戦ありと、動きが極めて少ない作品だが、美しいことばが続いていく。シテ小倉さんは割と好きな役者さんで、ユリ(といっていいのか?)が良いのである。老将の最期がシミジミと描かれていた。頼政は歌人としても名高く、もう少し歌のことばが詞章に入っていたらなぁと思ったりするが、そんな注文は無理というものだ。
今日の3番は「頼政」「隅田川」「道成寺」。「隅田川」は予想以上に素晴らしく、ついついもらい泣き。シテの頑張りもあったと思うが、今井泰男さんに近藤乾之助さんという不可侵領域の地謡が超絶。晩春の隅田川が舞台に広がった。
もう1つ、小倉伸二郎さんの「道成寺」。伸二郎さんらしい硬質の「道成寺」。あまり女性性を感じさせないけれども、いつものようにシャープだった。兄さんの方はもう少しかわいらしさのある白拍子だったが、今回の白拍子は非常に怖いタイプ。