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大腸肛門専門外科医のひとりごと

大腸肛門専門外科医のひとりごと

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2006.09.11
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テーマ:癌(3548)

本日は朝から腹腔鏡下の大腸切除術を2件こなす。

ずーっと手術室失敗

1件目の手術は結腸右半切除。術者は上司。オイラ第1助手。

腫瘍の位置は上行結腸の下の方のはずなのだが術前内視鏡でやってあるはずの点墨(粘膜下に墨汁をほんの少量注入しておく。ようするに入れ墨。早期癌など腫瘍が小さいと腸のそとからみても病変が分からない。ましてや腹腔鏡だと触感もないのでこうして目印をつけておかないとどこで切って良いのかが分からないのです。)が見あたらないショック

血管処理を先行した後、盲腸から肝曲部(上行結腸から横行結腸へと折れ曲がるところが肝臓の下のところなのでこういう)まで剥離する。
これで十分腸が出るだろう(腸を切るときには腸を受動してぶらぶらにしたら臍あたりを4~5cm切って腸をハラの外に引っ張り出して直視下に切るのです。すべてお腹の中と言うわけではない。)と上司は言う。

でもオイラはでないと踏んでいたNG

でもって、やっぱりでないブーイング

また腸を腹の中に戻して剥離をすすめる。

再度腸管を腹腔外へ挙上。

さっきよりちょっと出てきて点墨の位置が確認できた。
思っていたより上の方。
これでは切除して吻合するには腸の出方が足りない。

結局肝曲部から横行結腸中程まで剥離する事になったブーイング

盲腸あたりの癌でも、十分に余裕を持って切除吻合を行うためには右半結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸の右側)はすべて受動しなければ、腸管が外に出てこないと思う。

今日も最初から肝曲をはずした方がいいと言っているのに上司はききゃぁしないわからん
結局肝曲はずす羽目になりましたけどね。
最初からそのつもりでやっておけばもう少し早くなるのではないかと思う。

さらに今日はトロッカーをいつもは5本入れるところを1本減らして4本でやっていた。
どういう事かと言えば使える鉗子の数が減ると言うことだ。
鉗子を持つ手がふえた方が術野の展開は当然ながらしやすい。

5mmのトロッカーなので術後の創としては後々目立たなくなるし小さなものだ。
その創を付けることを躊躇するよりは、安全かつ早く手術を終わらせるメリットの方が大きいと思うのだが・・・ほえー

まあ、それで終わらせましたけどね。

やってやれなくはないですけどね。

でも、上手く腸が出てこないだのなんだのやってるくらいなら入れればいいのにと思う。

いつもと同じ事をやった方がよい。
無理してやるから大変になるし、時間もかかるのだ。

 

2件目は下行結腸下部の大きな腫瘍。

術者はオイラ。助手は上司。

どうしても自分の思うような術野の展開を得るためにはストレスを伴う。

術者としての上司は上手いと思うのだが助手としてはこちらのやってほしいアシストと微妙に違う。まだまだ息が合っていないのか?つきあい長いんだけどしょんぼり

これはどうしても術者としての時間が上司は長いし、助手としての時間はオイラの方が長いしなので、たんに慣れの問題でしょうね。
ぼちぼちオイラが術者になることが増えてきているのでだんだんと埋まってくる溝なのかもしれませんが・・・でもだんだんストレスが溜まってくると口数が減ります・・・。

手術の腕前が、ちょっとくらい術野が悪くても助手のアシストをものともせずにできるほどのレベルならば良いのですが、もちろんそんなレベルではまだまだないので上司に頑張ってもらうしかないようです。

<上司様へ>
もし、これ読んでいるようでしたら宜しくお願い致します。
最近ラパロ(腹腔鏡)が嫌いになってきている気がします。

 

読んでいてわかると思いますが本日の書き込みは愚痴ですwぽっ






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Last updated  2006.09.11 21:50:16
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