ザ・ビートルズ 1+ ~デラックス・エディション~(完全生産限定盤)(CD+2DVD) が発売された。
なので、過去の2009年のリマスターの楽曲とを順番に並べ替えて、ここ数日間、聴き比べをしていた。
はっきりと言えるのは、今回発売されたほうが、音がいいし、現代のサウンドになっている。
2009年のものは、こもって聞こえる。
そして、音楽産業の録音方法の変化も感じた。
モノからステレオになる時代の変化だ。
この時代、オープンリール録音のテープが、2チャンネル録音が、4トラックになる録音技術の変化があった。
音楽とは、ラジオの前で、1つのスピーカーから流れるサウンドを聞くことだった。
それが、ステレオを聴く時代となり、さらにはヘッドホンで、音像も感じる時代に変化した。
ビートルズは、そのラジオ時代から、ステレオになった最初のサウンドイノベーター集団だった。
たかだか、4チャンネルしかないオープンリールトラックを駆使して、サージェント・ペパーズは制作された。
今のように、別録りや、コンピューター補正が簡単にできる時代ではない。
生音が、失敗など許されない緊張を越えた先で録音される。
それらが、膨大な残された録音テイクになる。
その取り直しの効かない緊張感がビートルズの録音には残されている。
集中力を感じるサウンドである。
今回、どのように定位を修正したのかを調べるとネット上に映像があった。
ジャイルズ・マーティンとサム・オーケルのチームがアビイ・ロード・スタジオでオリジナル・アナログ・テープから新たにステレオ・ミックスと5.1サラウンド・オーディオ・ミックスを製作した。
アビーロードスタジオで、楽器の位置にマイクを立て、スタジオ内で、音源を再生して、録音したものをリミックスしたようだ。
世界中の人が聴き馴染んだビートルズのイメージを崩さないように修正されている。
エリノアリグビーのボーカルもセンターになっている。ポールのボーカルが、急に右に振り分けられる頭出しの部分も修正されている。
全体的に良くなっている。
うちの子に聴かせるのは、新しいサウンドにしたい。
ゲットバックのジョンのギターカッティングもすごくはっきりわかる。
これは、どう処理したのだろうか。
おそらく、どこかのカッティング部分のデータを、取り出し、それらを原曲のカッティングのタイミングデータの上に重ねて補正したのだろうか?
それとも、アビーロードスタジオ再生で、カッティング音を拾い上げることができたのだろうか?
ただ、2009年のパットマスターの「LOVE ME DO」は、リバーブがかかりすぎている。
そのため、モノ演奏だが、逆に2009年版のほうが、3人のボーカル分離がはっきりとわかる気がする。
試聴方法も変わった。
ビートルズサウンドを、通勤途中の電車の中や、歩行中、営業先への移動中、日曜日の電車の中、休日の散歩などと、静かに座って聴いてはいない。
そんな聴き方も変化している2015年である。
ジョンの命日にビートルズを再確認する。