高田馬場のミャンマー料理店にすべて訪問して、その料理を食べているわけではないけど、ノング インレイ(Nong Inlay)のうまさは格別だと思う。
今回、さつま揚げカレーを食べた。
びっくりするほどうまかった。
なにがすごいかというと口に入れた時のバランスの良さだ。
辛さ、甘さ、塩辛さ、香り、苦味などがあり、辛さもトウガラシの辛さの中に、プリッキーヌ(タイの小さな青唐辛子)の破片がちりばめられて、辛さの切り替えが起こる。
また、レモングラスの破片が、ときどき、口の中に、苦味と爽やかさともたらす。
辛いのにさわやかな爽快感が生まれる。
また、トマトペーストのうまみがルーにあり、柔らかいルーに、カリカリのふりかけを掛けるので、口の中に、ルーのとろみとふりかけのクリスピーが混在した食感になる。
口の中で様々な反応が起きるところが味のうまさを増加させている。
さつま揚げにも何か練り込まれている。
そのつぶつぶが、単調な練り物にアクセントを入れている。
これは、もう、料理人の腕前のレベルの高さによる。
今まで食べたどこのミャンマーより、ノング インレイ(Nong Inlay)のバランスのとれたうまさは際立っていると思う。
味と食感の面で複雑な楽しみが広がっている。
思うに、シャン族が、中国、ミャンマー、タイのはざまでバランスを取ってきた歴史とも関係するのかもしれない。
ミャンマー シャン族料理の魅惑 ミシェ、シャンそば、ココナッツそば、イムキィムご飯。
角田光代さんも訪れている。(連載第23回 もう一杯だけ飲んで帰ろう 芸術新潮 2016年3月号)
ミャンマーで滞在したホテルのそばのレストランがシャン族料理店でその味覚記憶が忘れられず、東京のシャン族レストランを探し当てて訪れている。
『世界は広い。行きたいところはどんどん増える』
香港人と角田夫妻の3人が、ミャンマー語が飛び交う店内で話した世界の出会う人との会話は俄然、世界を訪れたくなる旅愁ボルテージが上がりそう。