アウト・ドアめし

現美新幹線　13号車　古武家賢太郎×ツバメコーヒー

13号車はコーヒーなどを販売している。

コーヒーは、「ツバメコーヒー」で、その他カウンター下の冷蔵庫をみると、村上のお茶と紅茶と、ワインと、ビールが販売されている。

コーヒーを監修したのはツバメコーヒー。店主は店をオープンしてまだ4年しかたっていないそうだ。FBの記事をみると、そのコーヒーへの仕掛けと心意気がうかがえる。

監修の役割としては最終的に提供されるドリンクをつくるためのレシピ（豆の種類、量、粗さ、氷の量、ミルクとのバランス）を決める、というもの。
さらに考慮すべきことは、オペレーションのスピードとドリンクのクォリティのバランスを取る、ということ。
そして、与えられたものはとても立派なフルオートのエスプレッソマシン。
マンパワーとマシンと素材を組み合わせて、ベターな落としどころを探る。
いろんな試行錯誤ののち、ホットコーヒーは乗車直前に大きなブリュワーで中煎りのツバメブレンドを落としていただいてポットに詰めて（１往復ずつあたらしいものを）提供することにした。
そして、アイスコーヒーとカフェラテについては深煎りのイヌワシブレンドをフルオートのエスプレッソマシンに入れて、その場でその都度抽出する、というスタイルに。

飲むと焙煎度合いがきっちりとして焦げ臭さがないぎりぎりまでローストされ焙煎の香ばしさがある。
そして、飲む込むと口の中に一切雑味がなく、つるつるの滑らかなすごくクリアな余韻が残る。
かすかな甘み感もある。
フルーツ感とかナッツ感とかいったものはない。

ロースト感があり、するする飲めて、余韻に雑味が一切ない。
そのコーヒー販売カウンターの前に購入するお客の行列が伸びる。
なので、コーヒーを買う時間を乗車の後半にした。

そして、古武家賢太郎さんの作品は、コーヒーが提供されるのを待つといったカウンターに視線が向く状況の中でちらちら鑑賞することになる。

この不思議な目を持つ人物たちはなんだろうか。
鹿がいて、黄色いピラミッドのような山の上にはアメリカのドル札のような目があり、白いひげを生やしたおじさんや、縄文時代風のワンピースを着た女性などがいる。
鯉も描かれている。
また、森の中に女性のセクシーな足だけ描かれている。

なに？という疑問と、楽しさが伝わる。
新潟のなにを表現したのだろうか。

コーヒーを待つ時間が古武家賢太郎さんの美術鑑賞の時間となる。

現美新幹線　13号車　パラモデル（林泰彦×中野裕介）