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ジュネーブその日暮らし(+革モノ作り・レザークラフト)

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2020年08月04日
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カテゴリ:革モノ作り

小銭入れに、ボックス型コインケースというものがある。
開くとマチが立ち上がって四角いコイン収納が現れるというもの。

↓こんなタイプ






これがなかなかの難物。

マチの形を間違えると小銭が漏れる。
寸法を間違えると小銭が漏れる。
マチの厚みを間違えると小銭が漏れる。

(小銭が漏れる小銭入れなど、使いたいと思う人がいようか?)


革の種類ごとに、ハリや革の折れ具合が違うので、本番に使うものと同じ革で試作を繰り返して、具合をチェックしなくてはならない。


例えばやわらかく薄いクロムのシボ革に芯材をいれたものと、張りがあって硬めのタンニンなめしヌメ革では、マチの重なりの厚みや革の折れ具合が違ってしまうので、同じサイズのものを作るにも別の型紙が必要になる。


(↓これは女性が片手で使えるよう、小型にサイズを調整し、柔らかいクロム革を薄く漉いてヘリ返しして作ったもの。内装には、モーツァルトの肖像と曲の刺繍を。)





もっとも、使い勝手を二の次にすれば、そこそこ簡単に作れる方法はある。

この小銭入れの、底に近い部分を見て欲しい。

上の2つはマチの下部分に折れ曲がった1段の蛇腹がある。

これがあるために型紙が難しくなり、マチが3方繋がっているがため、微妙な設計の差異で小銭が漏れるようになる。

この1段の蛇腹部分さえなくせば・・・

下の写真の小銭入れのように、フタから前側までを1枚の革で作り、左右に長方形のマチを縫い付けるだけで良い。

試作調整は、最初にマチを大きめに切り出して仮止めして、サイズを見てちょうどの大きさになるように縦横を切るだけ。こちらのタイプならば比較的簡単に作ることができる。


(↓新しい刻印を入手したので、そのスタンピングの練習がてら作ったもの。外装の革はワルピエ社のブラックワックス)


ハンドメイドとして販売されているボックス型コインケースは、この簡単タイプが多いと思う。


簡単にできる方法があるのに、なぜあえて蛇腹を入れるタイプで作るのか・・・

それは単なる自分の趣味・・・ではもちろんなくて、収納量が違うから。

この一段の蛇腹で、入るコインの枚数が全然違ってくる。

というか、蛇腹の無いタイプをタンニンなめしの硬めの革で作ると、本当に枚数入りません。


なので、一段つけて実用性能を上げたい。


だけど、コイン漏れもダメだし、見た目が不格好は嫌。

やはりこれも自分好みのシルエットが頭の中にあるので、その形に作り上げたい。

(↓試作品 段の折れ曲がり部分のシルエットがまるで潰れたカエルのようで、全く美しくない。やり直し)




ということで、試作10回くらい繰り返して、タンニンなめしのボックス型コインケースの最終試作が出来上がりました。

ハンドメイド&タンニンヌメ革でなければ出せない、ぽってりしたシルエット。
ブッテーロの美しいグリーンを際立たせるナチュラルヌメのマチと白い縫い目。


この革のもつ魅力を多少なりとも引き出せたんじゃないか・・・と思います。

早速小銭を入れて持ち歩き、数日自分で使ってますが、コイン漏れもなく良好。

もう少し使って問題なければ、販売用を製作したいと思います。





​LeatherWorks幸守​






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最終更新日  2021年06月11日 01時26分19秒
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