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カテゴリ:コラム・えっせい
-------続き-------
最近の小学生は、私より背の高い子がいっぱいいます。全員私服だから小学生と思っただけです。 「ここは違うよ」 「どこでもええ」 入り口に切符売り場がありましたが、通り過ぎて会場入り口へ行きました。 チケットを出すと、「正倉院展はまだですね」と掛かりの女性が訊きました。 「まだです」 「では、ここの半券は残しておきますから、帰りにまた此処へ戻って来てください。そのとき、ここの券を頂きます」 どういうことかよく判りませんでしたけど、少し進むとまた女の人が立っていて、 「正倉院展はまだですね」 と言いました。まっさらのキップを見れば判るのに、なんで訊くのでしょう? 「此処の券を切り取ります。正倉院展は、上に方で並んでください」 「上て、どこですか?」 「二階やろ」とショータン。 「上の方で並んでください」 「上というのが解りませんけど」 大きな声で訊きました。此処が正倉院展でないことは判っています。 「外です。外の上です」 女の人も大声で言いました。そばにいた小学生4、5人が笑っていました。 「外やったら外と言うたらええのにね。あんたら、外の上ってわかる?」 子供たちは首を横に振りました。 小学生について入りました。右、左、真ん中、と通路がありましたが、「拝観順序」の指標はありません。生徒達がぞろぞろと右の通路へ行ったので、私とショータンは真っ直ぐ進みました。「新聞で見た見た」という楽器や壺類が並んでいました。 仏像は、各寺院から集めて来たものらしく、足元の説明板に寺院の名前が書いてありました。1メートル以内のものはケースの中に、大きな仏像はそのままいろんな方向を向けて立ててありました。 きれいな地蔵菩薩がケースに入っていました。撮影禁止の札はありません。フラッシュを焚かずに撮りました。ついでに4枚撮りました。ぐるぐる回って出口へ来ると、仄暗い所に大きな仁王さんが2体立っていました。「ここ、まだ見てないわ」 監視員がいて、「撮影禁止」の札がありました。「中国のどこやらから来て……静の像と怒りを表す像と…」と書いてあったのを読みましたが、よく覚えていません。普通、仁王さんは、阿形と吽形が対になっているものですが、この静の方はなんの動きも示さずただ立っているだけで、阿形の方はなにやらひどく怒っていました。小学生達が手に手にパンフレットを持っていたのに、私たちは貰わずでした。 外へ出て、案内板に従って少し歩いて、トイレがあったので入りました。出てくると、ショータンはいませんでした。そこらを見回してもわかりません。「奈良ではぐれたら二度と遇われへんで」と昔からよく耳にした言葉がまた思い浮かびました。 「そんで、奈良や。サヨウナラの奈良」 正倉院展は裏側で、博物館の玄関は閉まっていました。 綺麗な地蔵菩薩 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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