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カテゴリ:コラム・えっせい
27日に姉が、「おかあちゃん、お正月過ぎるまで病院におる、言うからやれやれや。4時に先生のお話聞くことになった」と電話で言っていました。
28日、12時半に病院へ行きました。みんな食事が済んだところでした。母のベッドのそばの椅子に腰かけました。 「Uちゃんと彼女が、家で面倒みてくれるねんて。今日退院する」 「えー? お姉ちゃんは昨日、年あけるまで退院せえへん、言うてたのに」 やっぱり自分の考えを通すのか、と思った途端、「先生が、お話があります、って」とナースが呼びに来ました。姉は「4時にセンセイと話をする」と言っていたのに、おかしいなあと思いながら詰所へ行きました。 「かなり良くなっているんですけど、昨夜から治療拒否しはるんで、こちらとしてはどうしようもありません」 またかまたか。3年前に警察病院へ入った時も、『治療拒否』で4日目に退院したのです。どうでも帰るにはこの術があったと思いだしたのに違いありません。 「折角薬が効いて来てますのに、家へ帰られたら急に悪くなることがありますが…」 「まあ、家へ帰って死んでもええと言うてますから……」 センセイは、私は退院に反対だろうと思っていたようです。でも私は、どんな人でも我慢して生きるということに反対です。辛くても、本人が「これでいい」という状況が一番だと思います。 「では、今日退院ということにしましょう。帰って容体が悪くなっても、この病院では受け入れしません。よろしいですか?」 ドクターはだいぶ怒っているようでした。(アホなオヤコや。もう知らん!)というところでしょう。 「では退院の手続きをします。お姉さんが反対しないように、きちんと話してください。大体、何時ごろになりますか?」 「話は電話でしますけど、姉は4時に来ることになってます」 婦長が横から、「すぐに電話してください。退院の時間がきまったら、教えてください」と言いました。簡単に「退院決定」です。 姉に電話して、「治療拒否するから、退院してください、言われた」と話しました。 「えー? なんや。昨日、『暮れもお正月もここにおる』言うたのに。別の病院探す、いうても今日は無理やろしなあ。マミやUに連絡して迎えに行く手配するわ。やっぱり4時ごろになるよ」 2時前後はシーツ交換やおむつ換えや、病室はばたばたしていました。母は、荷物を全部纏めてと言いました。姉が来ても来なくても家へ帰るのだと決めていました。「それはドコへ入れて、それはこっちの袋へ入れとき。引出の中のもんも忘れなや」 ベッドからあれこれ指図します。「テレビのカード、使こてないから、あっちの人にあげて」 あっちの人もこっちの人も、この部屋では誰もテレビは見ていません。テレビは、心身共に楽な状態でなければ見ようという気にはならないのです。 ----続く---- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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