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2011.11.15
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カテゴリ:生活
 今日、母の所へ行って来ました。
 1週間前に軽い肺炎で入院していて、今日退院したのです。病院へ1回行っただけで、あとは姉に任せていました。姉の家の近くの府立病院です。
 母は、「二日食べへんかったら胃が萎縮して余計具合が悪うなってん」と言っていました。
「F先生(かかりつけの)は、病院が好きや。ちょっと診て貰いに行ったら、『入院した方がええ』言わはる。こんなトシヨリ構もたらコワイのかなあ」
 近くの病院2軒にベッドが無いと断られて、40キロも離れた病院で受けてくれたそうです。隣のベッドも反対側のベッドも男性がいました。「男の人の部屋?」と訊くと、「女の部屋やけど、男の人のベッドが足りんねんと。えらいことや」と言いました。
「二日も食べてへんのに、朝食なしやってん。マミがパン持って来てたから、くれるのかと思たら一つもくれんと持って帰ってしもた」
「マミが持ってたんは毛糸やン」と姉は言いました。
「あはは、毛糸は食べられへんなあ」
 病院でしていたそんな話を今日、マミに話すと、「あれは蜜柑やってん。ここのお仏壇の横に袋に入った蜜柑があったから持って行ったら、カビが生えててん。ほかした」ということでした。マミが持っていた袋の中の丸いものを、母はパンだと思い、姉は毛糸だと思っていたのです。
 食べることが楽しみなのに食べられなかったということは、そうとう悪かったのでしょう。朝、昼、晩1時間づつヘルパーさんが来てくれても、急に具合が悪くなった時が困ります。
 総理から戴いた賞状を持った写真を姉が撮って、壁に飾ってありました。別に、賞状と並べて熨斗の付いたものが2点写っていました。
「お金もくれはったん?」
「これは大阪市から。ミニタオルの詰め合わせ。使い道ない。こっちは銀杯。総理大臣から。あんた見てたやんか」
「見た。忘れてた。銀杯は大阪市からやと思てた」
「よう勝手に思うなあ」
 お昼は、マミもユークンも来ていたので、お寿司をどっさりとりました。ユークンは夜勤明けで眠いと言いながら、2人前食べました。母はにぎり1つと巻き2キレ。姉はいつものようにmy弁当を食べていました。
 ヘルパーさんがお昼に1時間来て、帰りぎわ「おむつを買うといてください」と言って帰りました。姉は車で大型スーパーまで買いに行きました。マミとユーくんは帰ると言って、一緒に出て行きました。
「お姉ちゃんがボケてへんから良かったな」
 と私は母に言いました。
「そうや。えらそうに言うから情けない時あるけど、よう考えたらお姉ちゃんにはよう世話になってる。防空壕に入ってた時も、家が燃え始めて、『ここにおったら焼け死ぬで』いうて手ェ引っ張って壕からつれ出して逃げてくれた。買い出しにも一緒に行って、服の下にお米の袋括り付けて運んでくれた」
 母は65年も遡って姉に助けて貰ったことを述懐しました。
「銀行の定期、300万円あったんを郵便局へ移してもうた。100万円だけ入れて、あとの200万円は無い。自動車買うたんやと思うわ。まあええけど」
「もう免許証返そか言うてたのに、車なんか買えへんやろ?」
「いいや。サラのええ自動車に乗ってた、今日」
「前のんや。白の車…」
「緑色やった。きれいなええ車や。私も今日初めて見た」
 







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Last updated  2011.11.16 00:27:26
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