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カテゴリ:生活
「みんな死んでしもたのに、私は何で生きてるのやろ!?」 と母は言いました。 「一人は寂しいで」 頷くしか仕様がありません。 「テレビは賑やかにいろんな人が出て来て喋ってるけど、私の話、聞いてくれへんもんなあ」 50年前に亡くなった祖母は、寂しいだろうからと叔父が買ったテレビを、「ちらちらしてうるさい」と全然見ませんでした。母は結構、トーク番組やニュースや歌を楽しんでいると思っていたのに、話を聞いてくれないという不満があるとは...... 「ヒサシも一人、私も一人、一人ひとりが別々に三部屋も四部屋もある家借りて住まんかて、一緒に住んだら話も出来るしなにかと便利もええのにな。ほかの人が一緒やったら介護はなしやとか、家賃あげるとか、イケズなことばっかり言うて、国はほんまに料簡が狭いわ」 「ほんまや」 「仮設住宅の人かて、一人ずつ暮らしてるから、誰も知らん間に死んでしまうねん。神戸の震災の後もそうやった。仮設住宅建てた時から、あかんのとちがうか? と思うとった。半端な支援、したらあかん」 「寒いから、窓や入口の戸が凍って開けへんとか、水道が出ェへんとか、ご飯炊かれへんとかお風呂に入られへんとか、文句ばっかり言うてはる。自分の家も仕事もないのに、あそこに居座ってること要らんのにな」 「戦災で家焼かれた時、みんなそれぞれ、住めるとこへ行って住んだ。国は支援どころか、めいめいが持ってるお金まで封鎖してしもてんで。昔の政府は今よりもっとキツかった。 そういうたらあの人、消費税上げるばっかり言うて、みんなが反対や反対や言うても聞けへん。支持率、どんどん下がってる。『それやったら消費税のアップはやめます。その代わり、大して役に立ってない議員は全部辞めて貰いましょう』ぐらいのこと、言えんか?」 「なあ」
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