genki’s room

　ありは、アリなんです。有り、ではない蟻。まっすぐ立っていて地面のアリが見える人が少ないそうです。目の悪い人が多いんですねえ。お医者さんに薦められる目薬のせいで。

　ここ３週間、毎日アリを眺めています。ヒマ？　いいえヒマではありません。相も変わらず忙しくて、忙しいからアリを見ていると、忙しいことを忘れるのです。

　1週間前。キッチンのカウンターの上に置いていたティッシュ・ペーパーの箱の中に入っているアリを見つけました。なにかを拭いたペーパーじゃないですよ。甘いものの付いた指で箱に触ったわけでもありません。2年前にもありましたけどね。ティッシュ・ペーパーに、何故アリが来るのか、判りません。ペーパーが好きなのでしょうか？　ペーパーに、アリの好きな匂いが付いているのかも知れません。日本は、余計な所に要らないニオイを付けるのが好きですから、困るんですよねえ。

　アリの入り込んだ箱を、縁から外へポンと放り出しました。暑い日で、お日さんがカンカン照ると暖かいペーパーがもっと温もって、アリだって暑いだろうと思います。

　１時間ほどして箱を見ると、アリは逃げて行ったのか、みんないなくなっているようでした。箱を逆さままにして、ポンポンとセメントを叩いてみました。

　じゃあってんで、ペーパーをやることにしました。

　使ったバター・ナイフを拭ったペーパーを小さく小さく千切って一つ一つ捻ったり丸めたりし、、庭のポーチの端っこにピラピラっと撒いてみました。どこからともなくアリが現れました。気に入ったニオイを感知すると、鼻をひくひくさせて......鼻って、見えませんけど......廻るんですね。くるくるくるくる回って、匂いの源へすっと行きます。食べられる、美味しい、運べる、と瞬時に判断し、一歩退がって体制を整え、「えい」と担いで巣へ運ぶんです。担いでいるのか、口で噛んでいるのかはわかりません。持ちあがらないのは後じさりで引きずります。

　細長く捻ったのをまっすぐに立てて運ぶところを見ると、口で噛んでいるのではありません。、ひょろろんひょろろんとジグザグ歩きです。2分ほどの間に20匹ほど出て来て、丸めたのや捻ったのをめいめいに持ってゾロゾロです。1センチぐらいで先だけ捻ったのを、細い方を持って立てて運ぶから、風が吹いたらカミもろとも、ヒョーンと飛ばされます。

　　長いものを巣へ運び込むのはちょっと難しいんですよ。

　　……また続き、書きます。