9月26日
次の日の朝ば、6時に見に行きました。昨夜と同じように歩いていました。蟻は個別が出来ませんので、何万匹もが歩いているのか、せいぜい1000匹ぐらいが行ったり来たりしているのかは判りません。なんの看板も旗も無いし、誰かが号令しているようでもなし、目的も終わりもわかりません。
見ていると、ひょこんとコケルのがあります。へええ。蟻も転けるのかぁ。腹から地面まで1ミリもないようですが、足は割と長いのです。クモのように手足を斜め前や後ろに広げているので地面すれすれに歩いているように見えるだけなのです。
『虫の歳時記』によれば、ひとりで持てない大きなエサを運ぶ時は、アンテナから信号を発して仲間を呼ぶのだろうと書いてありました。「アリさんとアリさんがごっつんこ...♪」というのは、「そ(それ、何処にあった?)」「あ(あっちだよ)」なんて言っているのでしょう。
アリの行進は4日間続きました。
行進を見てから5日目の朝、行進蟻は消えていました。ほんとに、なんだったのでしょうか。この夜8時過ぎ、門柱の処へ行って驚きました。
古い懐中電灯の弱い灯りで、真っ直ぐに立ったまま、歩いている蟻がよく見えました。持って行った古いエースコック・ラーメンの屑を撒いて、嬉しそうに運んでいくのが昼間と同じように見えました。