genki’s room

26日はショータンの誕生日だった。24日まで覚えていたのに、26日には完全に忘れていた。
　「今日は、なんのごちそうしてくれる？」とショータンが言ったのでびっくりした。
朝、お仏壇の過去帳をめくったとき、（おばあちゃんの命日や）と思っていた。祖母の命日は1月25日だ。ああ。23日に、遠方に住んでいる長男が来て仏間で寝ていたので、2日間過去帳をめくらなかったのだ。昨日、「温泉でも行っといで」と10万円置いて帰って行った。
　雨だった。「鯛、買いに行く？」
ショータンは熱心にテレビを見ていた。お昼は昨夜のおかずの残りで食べた。午後、「焼肉食べに行こか？」と言った。
「何処へ？」この辺りには、あまり流行っている焼肉屋はない。
「24号線西へ行って左側の店」「車が停まってるの見たことない」「右側の、下が全部駐車場になってる店は？」
「カンコドリ焼いてるとこか？」
　赤い鳥の羽をむしって焼いているところを想像した。
「御所市に、2年前に出来た大きな店があるわ。高そうやけど、あそこへ行く？」
雨はやんでいない。ショータンは、「うーん」とあいまいな返事をして、ずっとテレビを見ていた。「タカジンのいいんかい」のあと少し眠っていて、4時ごろ目をさました。雨はやっぱり降っていた。
「面倒臭い。やめとく」
　電子レンジでチンの赤飯があった。「鮭焼いて、酢レンコンと高野豆腐でええ？」
「じょうとう」
　お正月の御節馳に新しい高野豆腐を使ったから、賞味期限切れのが残っていた。煮ても、少し硬かった。チン赤飯も13年10月で期限切れになっていた。
　
27日、鯛を買いに行った。私はタイは苦手なので、ショータンは一人で嬉しそうに食べていた。「おめでとう。お誕生日」
「83歳。長生きしてるなあ」
　一番上の兄さんは93歳で亡くなった。二番目の兄さんは、91歳だった。お父さんは52歳。お母さんは47歳。どちらも脳卒中。姉さんは45歳（肺がん）。
遺伝は関係ないような……

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