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カテゴリ:本
上巻に引き続き、主人公岬美由紀のかつての師であった
友里佐知子の過去が日記によって明かされる。 これがまたうまい具合に現実の歴史と照らし合わせていて、 フィクションだということを忘れさせる。 安田講堂事件、よど号ハイジャック事件などなどが 友里佐知子の扇動によって起きたことになっている。 事実は違うというのは分かっているけれど、なんか不思議な気分にさせられる。 友里佐知子は平等と平和の究極が共産主義であると信じ、クーデターを起こすことを画策。 それを見破り、計画をとめたのが岬美由紀。。。これがシリーズ最初の話だった。 もうその事件からかなり巻数もたったころに、その続編みたいな話を書くとは・・・うまいな。 最後はフィクションらしい大バトルもあったが、 友里佐知子のもう1人の後継者である阿諛子(あゆこ)が 対極である美由紀と対決して初めて自立、自我を目覚めさせることができたあたりは哀しかった。 そして最後がまた泣ける。 別の結末も見てみたかったけど・・・ 作者のHPに今回本には収録されなかった章が公開されているらしいので、 そっちも覗いてみよう。 この作者はたびたびこのような細工をしてくる・・・ 読者としては楽しみでもあり、ちょっと困りものかも。 千里眼背徳のシンデレラ(上) 千里眼背徳のシンデレラ(下) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 23, 2006 11:09:54 PM
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