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カテゴリ:本
200x年1月7日、日本初の超音速旅客ジェット機「スワローテイル」が四国沖の自衛隊演習空域高度2万m(通称L空域)を試験飛行中に突如爆発炎上する。 2月12日、航空自衛隊所属のF15Jイーグル2機編隊が事故空域を飛行実験中、 同じく高度2万mで1機が爆発炎上、編隊長である斉木敏郎三等空佐が死亡する。 立て続けに発生する原因不明の航空機事故。 その日、高知県に住む斉木三佐の息子である斉木瞬の家は父子家庭で、 父が事故死した当日も高知沖を飛んでいるであろう父を見送りに浦戸湾に来ていたほど、父とは仲が良かった。 その浜辺で半透明の乳白色で不定形の、クラゲのような謎の知的生命体に遭遇する。 最初は気味悪がっていたが、「フェイク」と名付けて面倒をみる。 父の葬式の晩に、携帯電話を介してフェイクが交信してきたことから、 心の隙間を埋めるようにフェイクを家族以上に可愛がりだす。 原因不明の航空機事故と、謎の知的生命体。 それらに関わる人々はやがて、ある場所へと集まっていく。 有川氏の自衛隊三部作の「空」に当たる。 この作者の作品はSFチックな設定が出てくるけれど、根本は同じ人間描写がうまいと思う。 フェイクの処遇を巡って世界中から色々な誘い提案をうける瞬。 そして父への想いがゆえに道を見失うことも… 少年の不安定な心のさまが読んでいて伝わる。 そしてもうひとつの「心」の変化でいうとフェイクと敵対してしまう「白鯨」の「心の動き」。 人間の身勝手さも考えちゃう。 「海」は読んだから、次は「陸」だな…
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