|
カテゴリ:本
2001年9月11日、同時多発テロ発生。 翌日もたらされた日本国内でのテロ情報に衝撃を受けた警察庁幹部は、かつて欧州で活躍した“伝説のテロハンター”を静岡県警から呼び戻そうとする。 そして彼が運営していたスパイ“V”を目覚めさせようと試みるが…。 10年以上のブランクを経て、“伝説のテロハンター”名村は警察庁に復帰した。 彼はかつてのネットワークを駆使し懸命に情報収集に当たっていく。 警察小説でもあまり見た事がなかった分野。 公安か・・・と思ったら、それとも違う。 でも諜報活動といっても"スパイ"とも違う。 そこで調べて見た。 一般に、法律で取り締まりの対象になるスパイは内部情報を持ち出す関係者で、 その情報を買い取る外国政府の情報機関員(大使館に所属し外交特権を持つ書記官・駐在武官をしていたりする)を「ケースオフィサー」という。 ケースオフィサーが行うのは、主に敵側の情報に近づきやすい人間や、 有用な人間をスパイとして獲得する獲得工作と、自らの下にいるスパイの管理、情報の取りまとめと本国への報告。 敵側の暗号担当者であったり、電信員であったり、あるいはマスメディアの人間、軍人に近づいて友好的に接し、次第にスパイとして育てあげていく。 場合によっては自らが外国のスパイとして働いていると自覚すらさせないケースもある。 多くの場合、海外に赴任したケースオフィサーは赴任国の現地人を使ってスパイ網を作り上げることに邁進する。 ものすごく奥がふかそう 伝説のケースオフィサーである名村も表街道をずっと歩いてたわけじゃない。 上下巻で時間軸が過去と現在を行ったりきたりする。 ケースオフィサーとして過酷な環境にあり、そして使い捨てられたという過去を持つ。 それだけ孤独な闘いを強いられるのがケースオフィサーということ。 "囁き"のために自分だけではなく、協力者の生命を賭しての激務。 こういう人の働きがあってこその"平和な日本"なのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|