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カテゴリ:本
エレベーターのRボタンを押し惑う飛降り自殺志願者。 混み合うデパートの非常ベルを見つめる主婦。 彼らの目前に、突然、“指”が現われた、まるでためらう気持ちにふんぎりをつけさせるかのように。 そして、指はボタンを押す―。 東京各地に指が出現する事件が続発。 その指の殺害方法はエスカレートしてくるのだ。 はじめはデパートの非常ベルを押してパニックを引き起こす程度のものだったのが、 道具を使い、薬物を使い…さらには、飛行中の旅客機までがターゲットに。 幻なのかトリックなのか? ゆびの目的は? 柴田よしき氏のホラー作品。 ホラーというもの自体私は苦手なのだが、柴田氏のほかの作品が楽しかったので…。 思い切って手を出してみた。 RIKOシリーズ、花咲慎一郎シリーズとはうって変わった作品。 「ゆび」一本が日本を襲う。 どんな話なのか見当もつかなかったけれど、読み進めるにしたがって怖くなる。 「ゆび」一本でなんと多くのことができる世の中なのだろう…。 ボタンですべてが管理される怖さ。 人間の英知の結集も最終的にはボタンひとつが間違えば、悲劇につながる。 盲点だなーと思って。 かなりB級ホラーなんだけれど、読み進めてしまう。 「ゆび」を動かすものが最終的には人間の「思い」というのがね。 切なかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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