『震度0』by横山秀夫
久々の本紹介だけど・・・すごい勢いで読んでるからね。。。ここに紹介できるのが一部なだけで。震度0本題。『震度0』はハードカバーで出た時点で、ものすごーく読みたかった作品。一番横山作品にハマってた時期かな。横山作品は「事件」を追う警察小説というより、警察内部の実情を小説化してるという感じ。この作品も震度6,7が起きた関西の震災の前日に、一人の警察幹部の失踪した。なぜ失踪したのか、事件なのか、自発的なものなのか、スキャンダルになるのか・・・キャリア、準キャリア、ノンキャリアなどなど、微妙なバランスを保っていたのが意見の対立、疑心暗鬼なところがでてきて対立するようになる。誰が味方で誰が敵なのか・・・それも分からない状態。警察内部もすごいけど、公舎に住む奥様たちも大変。ここでも力関係があるし、情報合戦が強いられる。そしてそれが失踪事件にも深く関係してくる。。。最初は登場人物と立場を覚えるのがなかなか難しかったわ。でも慣れてくると、あれ・・・この人こっちに寝返ったのか・・・とか人物相関関係が自分の中で描けなくなってしまった。結末は意外なものだった。でも、考えさせられた。。。みんな「立場」のことばかり考えてるというフレーズがものすごい響いた。読んでいて、私も気付かなかったけど振り返ってみると失踪した人のことを気にしている人はたしかにいなかったね。横山作品って毎回、最後に考えさせられる。いまだにひきづってるのが『真相』。真相を知ることが必ずしも「いいこと」ではないという具体例を見せ付けられた感じ。【古本】真相/横山秀夫