「青の炎」by貴志祐介
映画化されたのでよく目にしていた本。実際に読む機会はなかったのだが・・・ちょうど今、読むものが手元になく、いつか読もうと思ってたので手に取ってみた。高校生である秀一は母と妹と三人で暮らしてた。ところが母が再婚し、すぐに別れた男がその幸せな家庭に現れ、傍若無人な振る舞いをするようになる。おびえて暮らす母と妹を見て、なんとかして家族をまもろうとする。警察、法律で家族を守ろうと試みる。しかし、事件が起きない限り動いてくれない。そこで完全犯罪をもくろむ。家族を守るために犯罪を犯すという悲しい少年の話。ものすごく頭のいい少年であり、完全犯罪を考えるまでに色々な勉強をする。怒りの炎=青の炎が彼の頭から消えない。そしてひとつの大きな嘘がを隠すために次から次へ嘘を重ねる。内容は違うけど、重松氏の「疾走」と同じような切なさ、哀しさを感じた。ラストも似ているからだろうか・・・読んでいてちょっと哀しくなる話だった。