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カテゴリ:絵と施虎
警戒区域内に取り残されたペット 環境省が現地調査へ 2011.4.27 23:51 (1/2ページ)
東京電力福島第1原子力発電所から半径20キロ以内の地域が「避難指示区域」から、立ち入ると罰則規定のある「警戒区域」に切り替わったことで、区域内に残された動物の保護が改めて問題となっている。環境省はペットの連れ出しを検討しているが、どの程度のペットが取り残されているのか実態を把握できていない。このため福島県は28日から5月2日まで、同省とともに現地調査を行う。(油原聡子) 建物が崩れ、信号が停止した町を、首輪をつけたままの犬や猫が徘(はい)徊(かい)する。やせ細った体は骨が浮き上がり、車を見かけるとエサを求めるように近寄ってくる-。ペットの救出活動を行っていたNPOなどによると、警戒区域内では、残されたペットたちのこうした姿が目につくという。 福島県によると、震災前の警戒区域9市町村の犬の登録数は約5700匹。現在、何匹が残されているのかは不明だ。 当初は民間団体やNPOがボランティアでエサやりなどを行っていたが、22日から警戒区域に切り替わり、区域内に立ち入ると罰則が加えられることから、各団体も立ち入りに躊(ちゅう)躇(ちょ)。環境省や福島県には「何とかして助けてほしい」との電話やメールが殺到しているという。 富岡町では、庭のおりに残された2匹の犬のうち、体格の大きな1匹が生き残り、もう1匹は頭部だけが白骨化した状態で死んでいるのが確認された。共食いしたとみられる。飼い主の親族の女性(36)は「早く戻れると思い、エサと水は置いていったのだが...」と声を詰まらせる。。 環境省では、一時帰宅の際に住民がペットを連れ出す方向で検討を進めている。ただ、避難の際に係留を解かれてしまった犬なども相当数いるとみられ、うまく"再会"できるかは分からない。「一時帰宅の連れ出しを待つだけでは不十分で、積極的に立ち入ることが必要だ」と環境省の担当者。28日に現地調査を行い、獣医など専門家チームによる救出も検討している。 4月上旬に浪江町などの避難指示区域で救出活動を行った関西のNPO法人の男性(28)は、警戒区域に切り替わって以降、救助活動を行っていない。「動物の命を救いたい気持ちはあるが、地元に迷惑をかけることを考えると行けない。一刻も早く、警戒区域の動物を管理する必要がある」 野犬繁殖を危惧 一方、動物の死体などをエサにして生き残った犬が、野生化して繁殖を繰り返し、野犬の増加を招く可能性も指摘されている。 男性は「NPOで保護した犬は40匹近いが、そのほとんどが不妊手術をしておらず、現地では交尾する犬も見かけた。このままでは野犬が大量繁殖してしまう」と危惧する。 警戒区域内の動物の救助を政府に求めているNPO法人「地球生物会議ALIVE」(東京都)の野上ふさ子代表は、「高濃度の放射線を浴びた犬がエサを求めて、除染されないまま区域外に移動する可能性もある」と指摘している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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