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テーマ:作詞作曲してますか?(707)
カテゴリ:げその書いた歌
コートを着た人をまるで見なくなった学生街
何時の間にか春が訪れたらしい 柔らかな色の服に目を奪われていると 彼らの袖はすぐに短くなるだろう そんなことを言いながら あなたは不意に 大きなゲバ文字のビラを拾い上げる 「安保世代はもう古いさ」と 誰かが笑っている でもこれを書いた奴の年は 俺と同じくらい はみ出したって構わない 落ちていっても構わない 時代遅れと片づけられる言葉を はみ出したって構わない 落ちていっても構わない 言わずにいられない奴がいる 生きてる以上 俺は歴史を確かに作っている 世界を覆す力にもなるはず だけど俺が何を言おうと 世界は変わりゃしない 誰かの心さえ動かせやしないんだ どうせ何の力もない男ならば 下手な夢など見て 身を滅ぼすよりも とにかく無事に この世の中渡っていかなければ 今は他人のことを考える暇はない はみ出したって構わない 落ちていっても構わない 言ったところで何にもならない言葉を はみ出したって構わない 落ちていっても構わない 言わずにいられない奴がいる 奴の言葉が正しいのかどうかは知らないが でも俺は こんなビラを書ける奴がうらやましい 秒針だけの時計で生きなきゃならない時代 ひと回り1分だけの流れから 秒針だけの時計で生きなきゃならない時代 俺は抜け出せやしない ビラを細かくちぎり捨てて あなたは歩き出す 募金箱抱えた人をやり過ごしながら 少しだけ前屈みのあなたの背中に向けて 私は声をかける 「ねえ 桜を見に行こうよ」 ……二十歳の春の想いです。 桜を見に行こうよ。 何かに焦り、無力を感じ、 あきらめが支配しそうな思いに包まれながら 私はきっと それに抗いたかったのでしょう。 今年の桜も美しいです。 東京は花冷え。 寒々しい空に凍えながら咲く姿が ことのほか愛しく感じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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