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最近は塾講師などがインターネットで授業を公開している動画をよく見かけます。この流れを好意的に見て、今後在宅勉強が主流になるだろう、学校はなくなるだろう、と奔放に想像する人もときどきいるようですが、私は今のところはそんな風に思いません。というのは、学校とは勉強をする場所というより、人間関係を学ぶところだからです。
子どもにとって、自分と同じ年ごろの人間ばかり集まる場所へ投げ出されることはきわめて重要です。そういうところでしか身につかない、対人関係のセンスがあるからです。両親不在での極端なじいちゃん子やばあちゃん子が、ときに大人びたものの考え方を披露して大人たちを感心させることがありますが、そういう子だって学校へ行かなければ、自分と同じ年ごろの人間の心理が分からなくなるので、きっと苦労するでしょう。 多分、多くの人間にとって学校は楽しいところではありません。繊細な人間や不器用な人間にとっては、苦痛の場所にほかならず、いじめを経験して切羽詰まると、自殺する痛ましいケースもあります。しかし人間は、好きな子ができたりいやな奴と会ったり、笑ったり泣いたり、楽しかったり悲しかったりするすべてを通して、その人間の「量」がつくられていきます。 人間には結局バランスが必要であって、「才」(学問)はたしかにインターネットでも学べるでしょうが、「量」(度量)ばかりは現実の凄惨な人間関係の中で、傷つきながら学んでいくしかありません。たしかに学校制度には問題も多く、とくに昨今ではいじめや不登校、学級崩壊やモンスターピアレントのようなマイナス面が取りざたされています。しかしそれでも尚、社会に出る以前の人間形成の場として、学校はまだ耐用年数が尽きていないだろうと、私は観測しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.12.10 13:35:05
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