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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
かつてスパルタ教育で人を死なせてしまった戸塚ヨットスクール事件(校長・戸塚宏)というのがありました。私はそのころ戸塚氏の書いた本などを読みましたが、あまり共感できませんでした。しかしその後になって氏の『本能の力』という本を読んでみて、意外に自分と近いところがあるような気がしました。氏の言葉の使い方は独特なので普通に読んだのではよく分かりません。 戸塚氏は人間の「本能」は善悪以前の正しいもので、それがうまく発現しないと生きられないといい、それをひっぱりだすものとして「体罰」や「いじめ」を肯定しています。ここで氏のいう「体罰」や「いじめ」は相手の進歩を前提にした有形力の行使ほどの意味で、自分のためにする暴力や、多数で一人を標的にすること、金品の強奪などは含まれません。そして戸塚氏は「本能」がハードウェアであるなら「理性」はソフトウェアであるといい、「理性」偏重の欧米流合理主義教育はエセ科学の性悪説であり、儒教や仏教に基づいた「本能」重視の教育こそ本当の科学で性善説である、と断じます。それを人間生理のレベルで説明したものが、彼のいう脳幹論です。 私に戸塚哲学のすべてが理解できたわけではないし、理解できたところにもすべて賛同するわけではありませんが、氏のいう有形力の行使が子どもの「本能」(基礎精神力)をひっぱりだす、という点には同意します。外側からの強い力がなければそれに反応する内側の強い力も育たないからです。言語中心のほめて育てる一辺倒では限界があり、「うまくいかないこと、不快なこと」に耐え抜く力、私のことばでいえば「残酷な環境」に向き合う力が、ある程度は必須なのだと考えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.07 13:15:52
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