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カテゴリ:劇団☆新感線
髑髏城をつくった熊木衆の生き残りの沙霧、秀吉に追われた鉄砲衆・雑賀党の生き残りの極楽ら女郎たち。 捨・蘭・二郎衛門ら曰くありげな面々に、無界の里の面々や兵庫らが加わって立ち向かうは髑髏党二万に秀吉軍二十万。 無茶を承知で惚れた女を守るののが男冥利とかっこつける兵庫。 いよっ!かっこいい!! ・・・と大向こうかけたいくらいなのに。 なのに水を差すのは小汚い百姓の磯平。実は兵庫(本名:兵六)の兄だという。 慌ててしどろもどろになる兵庫がかわゆいのなんの。 うっかり口から出る百姓言葉も、兵庫がいうとなんであーもカワユシなのかねぇ。うひゃひゃ。 出番は少ないけれど、場をさらう磯平もやっぱりサスガの劇団員。 笑いと拍手、持ってったねぇ。 兵庫たちや、相変わらずすっとぼけたままの二郎衛門が去ったあと残された捨・蘭・極楽。 『女達はべっぴんで男達はみんな馬鹿。こんな街はそうざらにはねえぞ。』 そう捨に言わしめたいい街・無界の里。 観てる私もものすごくすんなり納得できるし、うん、守ってあげてほしいと心からそう思ったよ。 また、そういわれて初めて、自分が『いい街』をみなとつくりあげた事に苦笑しつつ気がつく蘭。 このときの極楽の表情がなんともいえなくよいのだな。 これほど近くに居るのにどうしても捉えることの出来ない、埋められない何かに気がついているんだろうな。 何も説明していないし、それらしき言葉のひとつ、しぐさのひとつもないけれど極楽の表情だけで伝わるんだよ。 あぁ。蘭に惚れているんだなって。 せつなーーーーい。 無界の里を離れた捨が向かったとある山奥にいたのは贋鉄斎。 登場シーンがほんっとにもう、いよっ!待ってました!!の大拍手モノでね。 一瞬にして、たったひとりでこれぞ【THE新感線】な空気を作っちゃうんだもんなぁ。サスガですよ。 そしてしょっぱなのセリフから劇場の空気を一気にあっためるんだな。 鍛冶屋が女性って、どうするんだろうと思っていたけれど、ダンナの後を継いだとは。うん、いいよいいよー。 女性だからこそ、めっちゃキュートな聖子さんだからこそ 『刀よりも私のほうが美しい!』 のセリフに説得力あるしね(笑)。 しかしさぁ~捨にあんなにあからさまに迫るとは。大阪で観たときの3倍くらいアピールしてたぞ(爆)。 ま、気持ちは分る。 十分すぎるほどわかるので、イケイケGOGO!! なんなら押し倒せーーーと思ったりしたのはナイショ(大爆)。 胸騒ぎがした捨の不安通り、蘭はひとり天魔王のいる、いや、待っている髑髏城へ単身乗り込む。 月光に浮かび上がる蘭の花と薄い白き衣を纏い横笛を吹く姿はあまりにも美しく、そして儚く哀しく孤独に見える。 襲い掛かる勇健と障月をはじめとする鉄機兵をフワリヒラリと舞のような優雅な殺陣で全くよせつけない。 ここではまだ気持ちに余裕があるんだろうな、と感じさせる。 うっとりー。 ココが大阪ではスピーディーなキレキレの殺陣だったんだよねー。 どっちも見応えあって、両方観れて大満足。 『美しい。まっこと美しい』 とどっかで聞いたようなセリフ(笑)を内心つぶやいたのもナ・イ・シ・ョ♪ 将監さまの登場で(なんかねー、つい「さま」をつけたくなるほどステキだったのー)ようやく【商人・蘭兵衛】として、 天魔王と対峙すべく城の奥へと導かれていく。 それをこっそりあとをつけていた狭霧があとを追って一幕終了~。 【2幕】 天魔王が刺客の群れを「敦盛」の一説を口にして扇で舞いながら(しかもROCKのリズムで!)あっというまにやっつける。 ココがねぇ~一幕終わりの蘭とはまた違う殺陣で華麗なんだなぁ 敦盛舞は染様の振り付けだとか。ステキでしたわん。 そして蘭兵衛と天魔王の対面の場面。 ここでの天魔王のくどき文句がゾクゾクする。 どう考えてもムリがある。あるがしかし、一縷の望みに思わず賭けてみたくなる何かを確かに天魔王は持っている。 うん、その魔力的な魅力が、大阪より確実にUPしていたよ。危なっかしさも含めてね。 なんとか無界の里を守りたい蘭兵衛の一見かたくなな様子は、 しかしどこか生き急ぐ(=死にたがる)脆さをちゃんと感じさせてくれる。 天の殿様(信長)は確かにもういないのに、「生きよ!」と放り出された男は殿のおそば以外に生きる方法を知らず、 流されるままだったのを。 そして天魔王の言う 『あのお方の前では、常に生死の端境にいた。 ヒリヒリと身を焼きそうな、触れると切れそうな空気の中で、俺たちはいつもあのお方に試されていた』 のをいつまでたっても忘れられず、 そして心底では求めてしまっているのを狂おしいほどの想いで自覚させられてしまったのだな。 あまりにも強烈なカリスマの存在は、近しかった彼らをその死後も、しかも強烈な死に様だったからこそ何年たっても、 どれほど心の奥底に沈めようと一瞬で蘇る。 だから前作まで重要な鍵だった影武者の【顔】がなくても、 殿を思い起こさせる一種の狂喜じみた天魔王のふるまいや言葉に自らすすんで幻惑されてしまったんだろうなぁ。 この二人の立ち回りが恐ろしいほどのスピードとキレと同時に、 「魔」に魅入られたかのごとく恐ろしいほど息が合っていたのも、もともとが同じ「魔モノ」に魅入られていたからだろう。 そして危険な香りのする口移しで酒を飲ませる場面は、まさに媚薬。 蘭兵兵を蘭丸へと容赦なく連れ戻し、また観ているこちらまで酔わせてしまった。 一方狭霧。 天魔王に見つかりなぶられ、さらには生きていた身内を目の前で失い、 果ては信じていた蘭兵衛が蘭丸と名乗りしかも正気を失ったまま自分を斬ろうとする。 侍の身勝手に翻弄されて恐れよりも怒りが先に立つあたりが、無鉄砲でもふてぶてしくてよいんだよね。 そして勝手知ったる髑髏城を逃げ回る狭霧を助けにきたのは、待ってました!の捨だ。 血が上って冷静な判断ができない狭霧をまさに捨て身で我にかえらせる捨。 ここの説得力、包容力がねーぐーんとアップしててうれしかったのなんの ぜーんぜん深刻さを感じさせず、でもちゃんと言うべき、伝えるべきことを狭霧に納得させる捨。 本当に狭霧が捨を信じるに足るヤツと納得できた場面、観てるこっちもいっしょにやれやれと安堵。 ・・・する間もなく、やーーーん三五登場ですわ~~~(=^^=)。 捨に丸め込まれ混乱する三五がめったやたらにきゃわゆいのー。 そして「生き残ることにかけちゃあ達人」ってのを見抜き託す捨の度量。 いいぞいいぞーーー。 そうそう。 この場面、三五ってば名札付けたんだねー♪ 大阪ではなかったよね? うふ。やっぱりか・わ・い・いーーー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 21, 2011 08:23:37 PM
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