熊野古道殺人事件
今日は久しぶりに内田康夫の浅見光彦シリーズである。 熊野は、古来より信仰の対象であり、その中心となるのが、熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社の熊野三山である。2004年には、「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界遺産に登録されている。宇多上皇をはじめとする歴代の上皇や法王が行幸し、街道は栄えたという。 熊野那智大社は、有名な那智の滝のあるところである。熊野速玉大社は新宮市の街中にある。すぐ側には、「佐藤春夫記念館」もある。佐藤春夫は新宮市出身であり、この記念館は、彼の東京の自宅を移設したものだ。 熊野本宮大社は、熊野三山の中心であるが、かなり内陸の方にあるため、私が、かって、紀伊半島を1周したときも、ここだけはスケジュール上,行くことを断念せざるを得なかった。 「熊野古道殺人事件」(内田康夫:中公文庫)はこの熊野路を舞台にした物語である。 光彦君、いつも愛車ソアラのローンが残っていると口癖のように言っていた気がするが、何とこの話では、冒頭でローンを完済したことになっている。しかし、このまま目出度し目出度しとはならないのが世の常。後で、このソアラ、とんでもない目にあうのである。 今回は、内田先生自らの御活躍である。内田先生を,学生時代の友人でT大教授の松岡が訪ねてくる。丘野という助手と学生たちが、補陀落渡海を再現しようとしているので、心配だからいっしょに行って欲しいというのだ。そこで、光彦君、アッシー君として内田先生といっしょに熊野古道をたどるが、南紀山中で殺人事件に遭遇する。殺されたのは、なんと補陀落渡海を再現しようとしている助手の妻であった。なぜか、丘野は、妻の死を聞いても、補陀落渡海を決行するが・・・ 安珍清姫で有名な道成寺なども出てきて、十分な旅情を楽しめるミステリーとなっている。 ↑にほんブログ村の「本ブログランキング」に参加しました。ここをポチッと押していただければランキングが上がるそうです。記事の内容がお気に召しましたら、よろしくお願いします。 m(. .)m風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら