人面瘡(金田一耕助ファイル6)
横溝正史の作品は、よくテレビや映画では観るが、そういえば、作品を読んだことがない。最近、「犬神家の一族」の宣伝をよくしていることもあり、思い立って横溝作品を読んでみた。 読んだのは「人面瘡」(横溝正史:角川文庫)だ。金田一の活躍を描いた短編集で、収録されているのは、表題となった「人面瘡」の他、「眠れる花嫁」、「湖泥」、「蜃気楼島の情熱」、「蝙蝠と蛞蝓」の計5編である。 読むと、なんともおどろおどろしい世界が広がっている。何しろ、死美人と添い寝するといったような話ばかりなのだから。同じミステリーでも、私がよく読む内田康夫の作品は、殺人事件については、もっとあっさりとした書き方がされている。でも、この本に描かれている殺人事件は、何か情念のようなものが渦巻いている感じである。 金田一は、この作品の中でも、ぼろぼろの着物と袴姿で、例の、ぼさぼさの髪の毛を掻き毟るしぐさを見せる。そして、彼が頭を掻き毟るときどんな難事件でも解決するのである。 さすがに読み応えがある,ずっしりと重みのあるミステリーである。 ← ランキング参加中(今何位?)DVD「人面瘡」風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら