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2017.06.08
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カテゴリ:人類

6年ほど前の私の文を読み起こし、再びここに書き表してみようと思う。

ネアンデルタレンシスもサピエンスも互いに人種が異なっているなどという認識は無かったのだろう。

ナショナルジオグラフィックスニュースの記事で知ったことだが、ネアンデルタール人(ホモ・サピエンス・ネアンデルタレンシス)は、「現生人類による遺伝子汚染のために絶滅した」という研究発表がなされていた。

私はその記事を読んで、7万年以上に渡って共にユーラシア大陸で暮らしていたホモ・サピエンス・サピエンスとホモ・サピエンス・ネアンデルタレンシスがどんな状況で出会い、そしてネアンデルタレンシスが滅びていったのかを考えてみた。

この研究発表は正しいのではないかと私も思うのだが、「実際にはどんな状況が数万年前に起きていたか?」を想像すると興味深いものになると思うのだ。

一般には、我々の祖先であるホモ・サピエンス・サピエンスは10万年程前にアフリカを出て中東、東ヨーロッパへと進出したとされ、それらの地域だけでなくヨーロッパやユーラシア大陸の一部にはすでにネアンデルタール人が暮らしていたことが知られていて、最期のネアンデルタール人の遺骨とされる骨が発見されたイベリア半島の遺跡は2万8千年~2万4千年前の物であると判っていますから、ネアンデルタール人は35万年前に出現し18万年前には後期ネアンデルタール人へと進化を遂げ、ホモ・サピエンスと共に7万年間もの間、主に同じユーラシア大陸の西側、ヨーロッパ周辺で同時代を過ごしていたことになるのです。

その7万年という期間は非常に長い時間であり、その間に徐々に互いの種の交雑が進んだと考えるべきではないでしょうか?

此処で考えなくてはならないのが、それは実際にはどんな具体的なことが起きて異種交配が起き得るかと言うことなのですが、赤道に近い地域で生まれたサピエンスは濃い皮膚の色をもっていたはずで、初めてネアンデルタレンシスに出会った時、すでにネアンデルタール人は10数万年をヨーロッパで過ごしていたから、皮膚は白っぽく、日光の紫外線を効率よく受けられるように進化していたはずで、当初は簡単に交配が行われる環境には無かったかもしれないのです。

しかし、それは10万年前の互いが初めて出会ったときのことで、たしかに皮膚の色や髪の毛の色などの身体的特徴がかなり異なっていて、いきなり互いが交配が可能な仲間であると言う認識は無かった可能性もあると思われるのですが、違っているのは皮膚の色と髪の毛の色だけであったかも知れず、出会って、数万年が過ぎる頃にはどんどんとサピエンスの身体的特徴も変化し、北方で暮らすサピエンスはビタミンDを作るために必要な日光を効率よく取り込むために皮膚の色も白っぽく透明になって行くし、髪の毛や光彩の色も薄くなるなどもあり、ネアンデルタール人と似た特徴になっていったと考えられるから、互いの人種間の交雑はしだいに起き易くなって行ったのではないだろうか?

ネアンデルタール人も我々の祖先であるサピエンスも、共に数万年に及ぶ狩猟採取生活を行う石器時代に生きたと言うことであり、互いの姿は、似たような獣の毛皮などを身に着けている、他の集団と言う程度の違いしか存在しなかったかもしれず、皮膚の色や光彩、髪の毛の色などが似てくれば、体毛の濃さ等で識別できた程度の差しか互いの外観の差を感じなかったのではないだろうか。

研究によればネアンデルタール人は若い個体の特徴はサピエンスの特徴に近く、成人し老化するに連れてサピエンスとの骨格上の違いが現れるが、全体的な印象ではコーカソイドの特徴に近く石器時代の衣装を共に纏っていれば互いに同じ様に見えただろうと言われています。

さらに、種の保存と言う本能から、遺伝的にできるだけ遠い個体の放つ匂いをを好むと言う人間の女性特有の反応が有ることが知られているから、ネアンデルタレンシスの女性もサピエンスの女性も其々違う種の男を気に入ってしまうと言うことは容易に想像できる訳だし、基本的には男の遺伝子にもそういう本能が隠れているはずだから、異なる言語を持つグループが遭遇すれば、そういう可能性はさらに広がって、彼らが気づかないうちにネアンデルタール人の中にはサピエンスの遺伝子が入り、サピエンスの遺伝子にもネアンデルタレンシスの遺伝子が入っていったのでしょう。

つまり、7万年と言う途方も無い月日に渡る混血の結果が、ネアンデルタール人を滅ぼしたと言うことも出来るかもしれませんが、むしろ、7万年に渡る時間がネアンデルタール人とサピエンスの混血を生み続けたことで、ネアンデルタール人特有の遺伝子だけを持つ人々が居なくなってしまい、殆どのサピエンスがネアンデルタレンシスとの混血種になってしまったと言うことだろうと思うわけです。

純粋なホモ・サピエンス・サピエンスの遺伝子は現在では、ホモ・サピエンス・サピエンスの故郷のアフリカに僅かしか残っていないと言うことがそれを雄弁に語っていると言えるのだと思います。

きっと数万年前の彼らは、互いが遺伝的に異なる種であると言う認識は全く無かったことでしょうし・・・・結果的にサピエンスとネアンデルタレンシスは交配できたということは同じ種族の一員であり同種とみなすべき存在だと言えると思います。

私の仮説、ネアンデルタール人は繁殖力が低かったのではないか?

ネアンデルタール人は我々の祖先の現生人類との交配により起きた遺伝子汚染のために絶滅したという、アリゾナ州立大学人類進化・社会変化学部の研究成果について書いたが、その前提となる事柄に圧倒的にホモ・サピエンス・サピエンスのほうが人口が多く、ネアンデルタール人は数が少なかったと言うことが挙げられているのだ。

だが、ホモ・サピエンス・サピエンスよりもはるかに早くユーラシア大陸に進出していたネアンデルタレンシスの人口が何故少ないままであったのかと言う疑問に誰か答えてくれないだろうかと思う。

遺伝子汚染によって失われる種は個体数で劣るほうであり、ホモ・サピエンス・サピエンスの個体数が圧倒的に多かったとされる理由は何なのか?

よく似たホモ・サピエンス同士のサピエンスとネアンデルタレンシスにどんな差があって人口の差に繋がっていたのかを考えてみたい。

すでに滅びてしまったネアンデルタール人を研究することは発掘された骨と遺跡に残る発掘された道具などからしか研究できないから、その原因を特定するのは困難を極めるだろうし、推測の域を出るものでもないだろう・・・・・。

しかしながら、よく似た二つの人種が、一方は人口が増えやすく、一方は増えにくいと言うことにはかなり大きな違いがあったと考えねばならないと思うが、それは何の違いであったのか興味は深まるばかりである。

そこで・・・ど素人の私はチンパンジーとボノボと言うよく似た類人猿やゴリラの性行動などを調べることで何らかのヒントを得たいと考え、少し調べてみると幾つかの興味深いことが解ってきた。

チンパンジーの雌は排卵期だけに発情し、その周期は一月に一回で約一週間しかなく、その間だけ雄と交尾するのだが、一度妊娠、出産すると、生まれた子供が離乳するまでの約6年間は発情しなくなってしまうと言うのである。

それに対しボノボはチンパンジーと極近縁だがその性行動は異なっていて、雌が排卵期に発情することはチンパンジーと同様なのだが、ボノボは「偽発情」という現象を有するところが全く違っているというのです。
ボノボの雌の性器の外部の表面が膨らんで雄には交尾が可能と判るのだが、排卵期以外でも子育て中でもそうした変化が起きる為に、雄との交尾の機会がチンパンジーに比べると圧倒的に多いのだそうだ。

ここで私は仮説を立ててみるが、もしかしたらネアンデルタール人もチンパンジーと同じような生態を持ち、一度妊娠し出産すると子育てが一段落するまでの数年間は発情しないのではないか?次々と子供を妊娠する可能性が殆ど無い、といった生態をネアンデルタレンシスが持っていたとしたら、1年周期でも子を設けることが出来るサピエンスに比べ、ネアンデルタール人は6~10年に一度しか子を作れないことになるかも知れないから、人口の増加率はサピエンスに対し著しく劣っていたかもしれないのだ。
世界中の人類学の研究者の中でも誰も言っていないこの私の仮説がもし正しければ、サピエンスより25万年も早くユーラシア大陸に進出たとされるネアンデルタール人の人口が少なかった理由として成り立つのだが・・・・。

一方遺跡や遺骨の研究から、ネアンデルタール人は女も子供も狩に参加したらしいと言われている・・・もしそれが事実であれば、多くの場合彼らの主たるターゲットであったマンモス狩りは肉体的に危険を伴うだろうから、それに参加する女や子供の死亡率は、男だけで狩をしたと言われるサピエンスに比べると非常に高いものになっていただろうと考えられる。

そして「子供が自立するまで次の妊娠をしなかったのではないか」とする私の仮説が正しいなら、一夫一婦制も成立しなくなる可能性が高くなるのではないだろうか?つまり、いつでもSEXをしたい雄の要求に応えられなければ、雄は一人の雌を保護しなくなるだろうと想像されるのだ・・・。雄は持ち前の能動的性本能のためにしだいに他の雌に興味が移って行くと考えられるが、我々サピエンスの末裔でも数年の間SEX行為を拒まれ続ければ、他の女性を求めて出て行ってしまうだろう、その結果として女も子供も狩りに出るしかなくなると言う必然性が生じたかもしれない・・・・。だとすれば発掘された子女にも狩で傷ついたらしい痕跡が多く残る結果になったのも、つじつまが合ってくるではないか?

チンパンジー型の社会では発情する雌の数が相対的に少なく雄は交尾可能な雌をめぐって雄同士の争いが多発する緊張社会だと言いますが、ボノボの社会は雌がいつでも交尾できるサピエンス型の社会に近いため非常に落ち着いた平和な社会だと言われているのです。

もし私の仮説が正しいとするなら、ネアンデルタール人の男は一人の女性を妊娠させた後、別の妊娠可能な女性を求めて彷徨い、そこで他の男と女性をめぐる争いを頻繁に起こしてしまうことになったと想像できるから、その面でも人口を減らす原因となる生死を賭けた争いをしていたかもしれないのです。

ネアンデルタール人の骨格の問題

さらにもう一つ、ネアンデルタール人の頭蓋骨は我々ホモ・サピエンスよりも大きいのである・・・このことは我々サピエンスよりも多少難産である可能性があるとは言えないだろうか?頭蓋骨に対して骨盤の穴の大きさが充分大きければそれは言えないが、サピエンスと同じ様な大きさであれば此処でもネアンデルタール人の人口が増えにくい原因を作ったかもしれない・・・・。

骨盤の穴の大きさと生まれてくる子供の頭蓋骨の大きさは、素人の私以外にも何人かの本物の研究者が触れていることも知りましたが、やはり彼らもネアンデルタール人の頭蓋骨の大きさが問題になった可能性はあるかもしれないと言う立場を採っていました。

もちろん私も赤ちゃんの頭蓋骨が変形しながら狭い産道を通ってくるためや、時間がかかってひょうたんのようにくびれて生まれてきた甥っ子などの記憶も鮮明ですから、決定的なことでは無かったのかもしれません。

骨盤の底部の穴が障害になる可能性は平均値としての頭のサイズと平均値としての骨盤の穴のサイズから考えられる平均的難易度と言う意味で、もちろん楽なお産をするネアンデルタール人もいたと考えられるし、骨盤の穴が充分広くない遺伝的特徴があれば多分早期にそういう家系は子孫を残しづらくなって絶えていったと考えられます。

まあ、それよりも今後遺伝子の働きを解明することで、ボノボとチンパンジーの差が、どんな遺伝子の働きによって出現したのか?ネアンデルタール人にもチンパンジーと同じその遺伝子が発現していたのか解る日が来るのかもしれません。

ネアンデルタール人の正確なゲノムが解ったとしてもそれが使われていたのか眠ったままだったのか?難しい問題です・・・・。

ネアンデルタール人とサピエンスの交雑とその後を想像してみる。

(前出の文だが、)
もしかしたらネアンデルタール人もチンパンジーと同じような生態を持ち、一度妊娠し出産すると子育てが一段落するまでの数年間は発情しないのではないか?次々と子供を妊娠する可能性が殆ど無い、といった生態をネアンデルタレンシスが持っていたとしたら、1年周期でも子を設けることが出来るサピエンスに比べ、ネアンデルタール人は6~10年に一度しか子を作れないことになるかも知れないから、人口の増加率はサピエンスに対し著しく劣っていたかもしれないのだ。
世界中の人類学の研究者の中でも誰も言っていないこの私の仮説がもし正しければ、サピエンスより25万年も早くユーラシア大陸に進出たとされるネアンデルタール人の人口が少なかった理由として成り立つのだが・・・・。

この根拠に乏しい無責任な想像の産物である私の仮説が正しいとして考えて以下を書いてみるが、実際には、どのようにして言語の異なる異種族の間で最初の交雑が起き、そして広まって行ったかを想像してみた。

男のサピエンスがネアンデルタレンシスの女を妊娠させる可能性と、女のサピエンスがネアンデルタレンシスの子供を身籠る場合の二つがあり得るが、サピエンスがボノボに似た常時発情出来る生態であるところから考えれば、男のサピエンスがネアンデルタレンシスの女を襲ったり、さらって来て子供を産ませることは生理的に確率は低いが、その逆のケース、女がサピエンスで男がネアンデルタレンシスの場合は、ほぼ常に妊娠させられることになるし、当時の婚姻が一夫一婦制でない場合では、ネアンデルタール人の間では、いつもSEXが可能なサピエンスの女は人気者になっていたとは考えられないだろうか?

つまり、サピエンスの女はネアンデルタレンシスの男に大人気で、サピエンスの女をさらって来るのが流行ったかもしれないなどと想像してしまいそうである。

現在の人間に置き換えて考えれば、とっても男の要求に対して寛容な女が村にやって来た・・・。
という事になるのかもしれず、そして毎年子供産んでサピエンスの遺伝子は瞬く間にネアンデルタール人の中に入って行き、その2世の女子がサピエンスの性的生態を受け継いでいれば、ネアンデルタール人の間にサピエンスの遺伝子が次々と残ることになって行くだろう。

その逆にサピエンスにさらわれたネアンデルタール人の女は一度子供を身籠るとその後10年も発情しないとなれば、子孫に遺伝子を残し拡散させるという速度はサピエンスの女の1/10程度の効率となってしまうし、性的対象としての人気は高くないはずだ。

そう考えれば、何時でも受け入れてくれて、どんどんと子供を産めるサピエンスの女は「子宝の女神」のようにネアンデルタール人に愛されたかもしれないという想像も出来る。

もし、それが当たっていれば、サピエンスの遺伝子はネアンデルタール人のオリジナリティーを破壊するようにネアンデルタール人の間に染み渡って行って、ついにはネイティブなネアンデルタール人が地上から消えて行った・・・・。という事になるのではないだろうか?

ネアンデルタール人は絶滅したというよりサピエンス(現代人類)との交雑によりネイティブなネアンデルタレンシスが居なくなっただけであり、混血のサピエンスとして今でもその種は繋がれていると言うべきでしょう、只、彼らネアンデルタール人の人口が少なかったため、遺伝的にはサピエンスの遺伝子大多数残り、サピエンスがネアンデルタール人を遺伝子的に吸収した形で現在に至っている。ということだと思います。

つまり、ネアンデルタール人は私たちの体の中で生き続けているという事ですね。

まあ、最も新しい核遺伝子の解析に依れば、サピエンスの純粋なネイティブは今もアフリカに現存しており、そのサピエンスの遺伝子と比較すると、我々日本人は、ネアンデルタール人とデニソワ人とさらに未知の一族からの遺伝子の影響を受けているのだそうですから、それぞれの種は絶滅とはやや意味が異なっていて、やはり混血種へと収斂しているという事ではないかと思います。

そんな風に、エンジニアの私は想像をたくましくして考えたのです・・・・。






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最終更新日  2017.06.08 19:42:27
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