|
カテゴリ:自動車
MAZDAの新エンジン、スカイアクティブ-Xを積んだアクセラが2019年に発売されるというニュースを聞いて、その核心を知りたくてサイトを探したら、https://newcars.jp/news/mazda-hcci-2018/が見つかった。
読んでみて解ったのだがMAZDAのHCCIエンジンと言うのは画期的でもの凄いエンジンと言う事だ! 世界的にEVへの流れが加速されそうな情勢ではあるが、ドイツの自動車メーカーがディーゼルエンジンの排気ガスをMAZDAのようにうまく処理できずにインチキプログラムで規制を逃れていたことで世界的にバッシングを受けそうな状況で、ドイツ政府も知らぬ存ぜぬを通してみても、政府と官僚がまったく知らなかったと言えば、それも間抜け過ぎるし、知っていたとは口が裂けても言えないから、バッシングを受ける前にディーゼルはおろか内燃機関そのものに見切りをつけてEVにシフトするというショッキングな発表で、ドイツの悪評から目を逸らしてしまおうという魂胆が見えていると私は思っているのだが、本当にそんな必要があるかをちょっと考えればおかしいと気づくはずなのだ。 内燃機エンジンと共存するハイブリッドでもなく何故EVへまっしぐらになったような発表をしているのか? ハイブリッドや低公害ディーゼルエンジンでは日本の自動車メーカーには太刀打ちできない状況でも、EVなら日本に負けない車が作れそうだという部分もあるのだろうし、ディーゼルの排気ガス処理の方法をMAZDAから買う事も、それはしたくないと言う事なのか? 内燃機関に見切りをつけてEVにシフトすると言っても、発電所から出る排気ガスより、もし内燃機を積む車の排気がクリーンで問題を起こさないのであれば、EVに移行する根本的な意味は失われてしまうのだ。 先進国のヨーロッパ諸国と開発途上の世界の産業文化レベルが同等なら、EVにシフトしても良いかもしれないが、実際にヨーロッパがEVに全面的にシフトしたとしても、ヨーロッパの自動車メーカーは開発途上国へは内燃機エンジン搭載車を売る気だろうか?もしそうだとしたらあまりにも自分勝手なやり方で、地球の温暖化と開発途上国の大気汚染と言う意味では何も貢献しないに等しいと言えるのではないか? だから私は、ヨーロッパ諸国がEVだけにするというのはプロパガンダであり本心ではないように考えるわけです。 もし、熱効率が55%を超える内燃機関が完成してしまえば発電所で化石燃料を燃やして発電して、その電気で自動車を走らせても、内燃機関を積んだ自動車の方がクリーンで使い勝手がよくなってしまうのですが、そこをどう考えてEVに走るのですか? 発電所は今原子力を止めようと世界は動いています、再生可能なエネルギーによってできるだけ発電をしてゆくことは世界的に必要なことですが、液化天然ガス、石炭、石油、バイオマスなどの燃料で発電する各国の発電所でも、CO2(二酸化炭素)Sox(硫黄酸化物)やNox(窒素酸化物)PM2.5の排出などを考えれば決して発電所がクリーンとは言えない状況があるのです。 だから自動車をEVにすれば問題が解決するわけでは無いというのが本当の話なのです。 そういう状況から見てもMAZDAの新エンジンHCCI方式の優秀性は光っていますので、それを以下に少し書いてみます。 MAZDAのスカイアクティブ-Xエンジンは現行のMAZDAのエンジンと比べて最大30%の高いトルクを同じ排気量のエンジンで達成し、燃費でも最大30%の向上があると言っており、その熱効率は限りなく発電所レベルに迫っており、実際に計算してみた場合ではガソリン1リットルで走行できる距離が26kmを超えれば発電所での発電からバッテリーを充電するEVよりも効率的になると言われています。 今回のスカイアクティブ-Xではデミオクラスで燃費は32km/Lとなると言いますから、実用燃費は26km/L程度に収まるわけで、環境に与える負荷と電気料金を考えても同等と言えるかもしれません。 ここで内燃機の効率が発電所経由での電気でEVを走らせることと同等になってしまうと、現在の高価なバッテリーシステムを積んだ重い重量のEVでは、走行可能距離やバッテリーのチャージ時間の問題でも不利になり、バッテリーの経年変化を考えると維持費の点でもイニシャルコストの点でもメリットが無くなってしまうのではありませんか? しかもですよ、スカイアクティブ-Xやスカイアクティブ-Dにはさらに伸びしろとして、ハイブリッド化して運動エネルギーの回収をすることで更に高い燃費効率を提供できることが確実になっています。 更に言えば現在のF1のように排熱回収による発電を追加すればもっと良い動力システムが完成するから、燃費では現在の多くのHVカーを大きく上回ることになるはずで、実用燃費で30km/Lに達すればEVよりも優れた環境性能だけでなく経済性も獲得することになるのです。 それは航続距離では1000kmを超えるのも簡単になり、HV化によって上り坂や加速をアシストして走れるためドライバビリティーも大きく向上した車になり得るのです。 そういう可能性を捨ててまで何故ヨーロッパ諸国はEVに走ろうというのでしょうか?? 内燃機エンジン車は、発電所がCO2を出さず、NoxもSoxもPM2.5も出さないのならその環境性能はEVに劣ります。 しかし現在の火力発電所が化石燃料を燃やして、様々な有害排出ガスを出している現状では、内燃機エンジンを積む車の実用燃費が26km/Lを超えればスカイアクティブ-Xエンジン車もスカイアクティブDエンジン車もEVよりも優れた環境性能と経済性を併せ持つと言えるのです。 ここで私が想像するスカイアクティブ-Xの仕組みを書いてみます。 HCCIの説明を見つけて読みました・・・。 HCCI方式とは希薄な混合ガスを圧縮熱で着火させる方式とありました! これは正直私もびっくりでした。 スパークプラグは併存するというのは良く解りましたが、混合気のあらゆるところから同時に着火が始まるという制御はものすごいことです。 早く詳細なマツダ技報での解説が読みたいです。 一番関心があるのは圧縮途上(上死点手前)のどの時点で着火を管理するのかという所ですね。 吸気温度が一年中同じと言う事は考えられないし、始動からの時間でも大きく異なり、寒冷地はどうするの?・・・そういう異なる吸入気温条件でも着火でノッキングを起こさせないためには、吸気温度条件によって圧縮発熱温度をアジャストさせなくてはなりませんよね 高い圧縮比であると予想されるので、火炎伝播も速いことが予想されるため、ノッキングを起こしやすいのはエンジンのことを知っている人なら即座に気づくことなので、そのノッキングしないタイミングをどのようにして得ているか???これはものすごいブレークスルーが必要だったはずです・・・・。 たぶんスカイアクティブ-Gとスカイアクティブ-Dで経験したEGRの制御技術と排気バルブ遅閉による高熱排気の再吸入という技術が今回のスカイアクティブ-Xの技術に大きく寄与したであろうと想像しました・・・。 私の想像力の限界を試されているようなものですが、それでも考えてみればインテークバルブの閉タイミングをかなり自由に扱えるバルブ駆動技術が根底にあると見ました! というよりポート噴射された希薄な混合気を任意のタイミングでスパークプラグなしで着火するのには圧縮加熱を管理する必要があるわけですから・・・上死点前付近でインテークバルブを再度僅かに開いて圧力を任意に調節するか、非常に狭い隙間を作って遅閉する以外に私は方法が思いつきません。 排気バルブでそれによく似たことをやっているのがスカイアクティブDですが、HCCIでは吸気バルブの微小な動作を入れて圧縮加熱制御を実現したと言う事かも知れません。 もしその方法で特許が取れたのなら、確かに世界初になるかもしれませんね・・・いったいどのようにバルブを駆動しているのか?・・・知りたいですね~・・・・。 カムの形状も興味が有りますが、恐らくロッカーアームのスライド移動によって僅かなバルブ動作を実現しているのだろうと思いますが・・・・。 それ以外の方法なんて私には思いつかないんですよ!! しかし…本当に興味が尽きませんね~・・・・。 未だこの辺は全く開示されていないようですが、私の想像では吸気バルブの微小な開閉ができるか、遅閉のどちらかにより、圧縮で発生する熱を正確にコントロールして圧縮熱着火を実現しているのだと思います。 さあ・・・・当たっているでしょうか?自分のエンジニアとしての発想力が試されています!!・・・笑。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.08.10 13:17:19
コメント(0) | コメントを書く
[自動車] カテゴリの最新記事
|