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カテゴリ:自動車
キャリパーゲージが出来上がったので、いよいよオリジナルのアルミホイールを旋盤加工しようと思っています。
下のCGはデザイン検討当時のもので、5穴仕様で描かれていますがデミオでは4穴加工になります。 借りられるはずだった、NC旋盤の制御基板の不調から、自分で作業できる旋盤は千葉県内にある友人の工場の汎用旋盤だけとなった為、それを使うことにしたのですが、滑らかな曲線切削を必要とするアルミホイールを汎用旋盤で削るのは非常に困難です。 そこで考えたのが、テンプレートガイド式の切削です。 X軸とZ軸の2軸送りでバイトを動かすとき、バイトを固定する刃物台の軌跡がテンプレート通りになれば、その刃物台に取り付けてあるバイトの切っ先の軌跡もテンプレートの描く曲線通りになるので、一見簡単そうに見えますが、削るべきホイールの完成中心断面シルエットに沿ったテンプレートをレーザーカットで切り出して、そのカーブに沿って尖った針でトレースするようにするには、作ったテンプレートを地面(旋盤のボディー)に固定して、バイトを取り付ける刃物台からしっかりしたプローブを出して垂直に曲げた針の先を、テンプレートのエッジに合わせて、そのエッジに習って刃物台をXとZに手で動かして削ることになります。 それで良さそうに思うかもしれませんが、実はバイトの切先が鋭く尖っていればそれで良い訳ですが、実際は0.8Rとか0.4Rと言う風に既成の超硬バイトの先端には丸みがあるし、三角形や長方形のバイトチップの幅が災いして、削り上がったシルエットを投影したテンプレートでは上手く狙った寸法は出なくなります。 つまりマシニングセンタであれば、仕上げ形状に対してエンドミルの半径を差し引いた軌跡を作ってそれに従ってNCで制御するわけですが、テンプレートを用いて手動で汎用旋盤を動かして削る時も、まさにバイトの先端Rを意識したラインにしなくてはならないため、テンプレートをレーザーで切り出すときには、使うバイトによってそれらを考慮した形状に切り出さねばなりません。さもなくば刃物台から出したプローブの先端をバイトと同じ形状のものに交換するしかないのです。 さてどちらが汎用旋盤で作業をするのに向いているでしょうか? 比較的大きくなるテンプレートをバイトの形状に合わせて何枚も作るとその費用も問題になるし、プレートを正確な位置に置き、それを取り換えつつ作業するよりも小さなバイトの形状を模したプローブの先端部をレーザーカットで作って、プローブの先端でそれを交換する方が賢明に思えます。 使うバイトにマッチしたテンプレートを作ると恐らく7枚ほどのテンプレートを必要とするのではないかと思いますが、プローブを頑丈に作って先端をバイトチップの形状にした小さなプレートなら5種類作ってもわずかな金額で済むし、テンプレートも3枚で済みそうです。 こういう話を書いても汎用旋盤を扱ったことが無い人にはピンと来ないでしょうし、汎用旋盤を使う人もこのBlogを読んでいる人の中には居ないのでしょうね・・・・・。 更に言うと、17インチ7Jオフセット45と言うホイールを削るには深い部分までバイトが入って行くので長いバイトホルダーが無いと手も足も出ませんから、そのようなバイトホルダーやエキステンションバーなども借りてこなくてはなりません。 バイトとホルダーとエクステンションバーを今回必要な分全て購入するとすればそれだけで30万円程は覚悟しなくてはならないでしょう・・・それなら外注で仕上げた方がずっと安くなるでしょうね。 少量のアルミホイールを手作りするという事はそう言う事でもある訳です・・・・。 17インチのアルミホイールを旋盤で2000rpm以上で回すというのは、なかなか恐ろしい物でして、もしチャックから外れたりすれば、ただでは済みませんから、怪我をしないように十分注意して慎重にやらねばと思っています・・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.11.14 01:41:28
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