邦楽CD逆輸入禁止へ~著作権法改正。
さっき何気なく2日前の新聞を見ていたら、一面のトップでこのニュースが取り上げられていました。内容は以下の通りです。アジアで生産・販売された日本の音楽CDが国内に逆輸入され、格安価格で販売されていることから、政府はこうしたCDも還流を禁止する方針を固めた。1月に韓国で日本語音楽のCDの販売が解禁されるなど、アジアで日本生まれのソフトの市場が拡大するにつれ、還流も急増が予想される。音楽産業の衰退につながるとして、レコード業界が還流防止作を求めていた。(一部略)国内のレコード製造会社で作る日本レコード協会によると、アジアで販売される邦楽CDは550円~1600円程度で、国内価格に比べ、最も安くて1/6程度。一部が還流し、ディスカウントストアなどで通常価格より1000円程度安く売られている。今後還流CDは02年の68万枚から、12年に1265万枚に膨らむと予測している。改正法で輸入禁止の対象となるのは、レコード会社が現地企業に対し、日本で販売しない条件で生産・販売を認めた音楽CDなど。著作権を侵害する海賊版とは異なり、現行法では輸入は合法だった。改正後は販売目的で輸入すれば著作権侵害とみなされ、レコード会社の申し立てに基づき税関で輸入を差し止められる。(一部略)一方、欧米レコード会社が世界各地で生産し、日本が輸入している洋楽の並行輸入盤も、理論上は還流禁止の対象となる。しかし、レコード協会は「全世界を市場とする欧米会社が、販売地域を限定したCDを発売することは考え難く、実質的に還流禁止の対象にならない」としている。音楽CDは再販売価格維持制度に基づき、価格が6か月から1年間固定されている。消費者団体は「還流禁止が加わると、価格競争がなくなり消費者が損をする」と、導入に反対している。(2004年2月16日、朝日新聞朝刊より抜粋)つまり、簡単に言うと、現在デパートやディスカウントストアなどで見かける邦楽の輸入CDの販売がなくなるということです。自分の近くの店でも2000円前後で販売されてるから、あれはたしかに邦楽CD市場にとっては問題だなと思ってました。まぁ邦楽CDを買うことがない自分にとっては関係ない話ですが、そうも言ってられない。上の新聞記事の赤字の部分では洋楽の輸入CDについても触れられています。よく考えると、邦楽の輸入CDの輸入が禁止されるなら、洋楽の輸入CDの輸入が禁止されてもおかしくはない。むしろ洋楽だけOKというのがおかしな話です。だから最初この記事を読んだ時、勘違いして激しい憤りを感じたのですが・・・。でもそもそもアジアで550円から1600円で販売されているものが、なぜ日本では3000円以上もするのか・・・。CDの価格には、少ないおこずかいで邦楽CDを買っていた頃から、疑問を感じていました。つまり結局は日本のレコード会社が、アジアやディスカウントストアに儲けさせたくないということなんでしょう。CCCDの導入に関してもだけど、何でもかんでも音楽業界の衰退につなげるのはやめて欲しい。邦楽CDが売れなくなったのは、CDのコピーや逆輸入盤のせいだけではないでしょう・・・。もっと根本的なところに問題があると思うのですが・・・。なぜ日本の邦楽CDはこんなに高いのでしょうか?飛びぬけて世界最高水準だと思います。そんなに価値があるものとも思えないし・・・。日本のレコード業界は目先の利益だけを考えて、自ら破滅の道へと進んでいるとしか思えません。以前ニュース番組で、宇●田ヒカルのCDがどれだけ売れるのかと予測をしていて、アーティストの取り分だけで数十億のお金になると言われていました。しかし、それでもアーティストの取り分は、多くてもCDの売上の数%程度。残りの2990円以上は一体どこへ行くのでしょうか? 日本のレコード会社にもそれなりの事情があるとは思いますが(これだけ高いんだから何か特種な理由があるに違いない!)、それにしてもひど過ぎですね・・・。今回は邦楽CDだけが対象なんで、はっきり言ってどうでもいいですけど、今後、もしそれが洋楽CDにまで広がったら・・・一人で暴動起こします!【笑】輸入CDのない音楽生活なんで考えられない。まぁまさか日本がアメリカ様からの輸入CDを拒否するなんてことはありえない・・・というか絶対に出来ないと思うから安心だけど・・・。相手がアジア諸国だと強気に出て、時代の流れに逆行して、鎖国状態になるよりも、アジア諸国にも対抗できるような、国際競争力をつけるべきだと思います。こんなことを続けていたら、きっといつかは日本経済は崩壊するでしょう。そう考えると、これは日本経済全体の問題かもしれません・・・。