こっくりさん。
こっくりさんって知ってるかな?「こっくりさん」(邦画ホラー 1997年 日本)って映画のことじゃなくて、確かに1970年頃から日本全国の中学高校生で大流行して、関連する本まで出版されたくらいだ。その本を買うと、折り込みでこっくりさん用の用紙が付いていたな。鳥居の絵と50音の文字、さらに「はい」「いいえ」が印刷されていた。この紙に十円玉を乗せ、この十円玉の上に数人が指を軽く乗せることで行う。日本においてもっとも有名な霊遊びなのらしいけど、漢字 で書くと「狐狗狸」、だからすなわち動物の霊を使った交霊術のひとつとされ、もちろん遊びや迷信の類だ。やり方はいろいろあるようだけど、わしが高校1年の時に学校の机の上でやってたのは、「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃいましたら、どうぞお回りください」という呪文で始めたもんだな。後はなんでも質問をすれば答えてくれるという寸法。なんでも聞けるし答えるので、コワイんだろうね。『呪文を唱えしばらく待っていると、不思議なことに誰も力を入れていないはずなのに勝手に十円玉が動き出す。 種を明かせばこれは腕の筋肉が無意識で動く「不随意運動」という現象に過ぎず、実際はこっくりさんを行っている者たちが無意識のうちに十円玉を操作しているだけなのだが、そんなことを知らない子供たちにとっては目の前にこっくりさんが降りてきたと感じられるわけだ。』(現代妖怪夜行から抜粋) 十円玉は文字盤の上を滑るように動き、質問者の問いに答える。例えば、わたしはいつ死にますか?なんてナンセンスな質問も出来てしまう訳だから。確かに自動書記的な動きは恐かったよね。一人でも出来るようなことを言っていたけど、やったことはなかったなあ。その前にオカルトは嫌いだったしね(^o^);狐つきとか、九尾の狐がどうのこうのとか、そんなオカルト占いの様相を呈していた。ブームになった時、集団ヒステリーを催したり、突然挙動や精神がおかしくなってしまう女の子がいたりしたため、 学校 によっては硬く「禁止」されたところも多いらしい。面白いことに欧米にもあって、こっくりさんはヨーロッパではTable Turinig,Table Tapping,Table Movingとよばれている占い方法らしい。元々起源はあっちらしい。『本来のこっくりさんの起源は、一般には西洋の占い遊びである「テーブル・ターニング」にあると言われる。 テーブル・ターニングとはテーブルを囲んで数人で座り、テーブルの上に手を置いて霊を呼び出すというもので、霊が現れるとテーブルが傾いたり、回ったり、脚が床を叩いて音を出したりするというものだ。 このテーブル・ターニングの仕組みも何のことはない、こっくりさんと同じで不随意運動を利用したものなのだが、それはともかく、このテーブル・ターニングは明治17年ごろに日本に上陸し、日本全国で大流行となった。 テーブル・ターニングは、やがてそのテーブルが「こっくり、こっくり」と傾くさまから「こっくりさん」と呼ばれるようになったという。 「こっくりさん」には「狐狗狸さん」などといった当て字が使われるため、その正体は動物霊とされることが多いのだが、実際には狐や狸とは何の関係もないところから名前が取られていたわけだ。 ところで、もうお気づきとは思うがこの明治時代の「こっくりさん」と現在の「こっくりさん」はまるで様相が異なる。 現在の十円玉を使う「こっくりさん」の起源は、どうも西洋の別な霊遊びである「ヴィジャ盤」にあるようだ。 「ヴィジャ盤」とはアルファベットや数字、「はい」、「いいえ」などの文字が印刷されたハート型の板を使って行う占いで、その遊び方は現代のこっくりさんに類似する。』(現代妖怪夜行から抜粋)現代妖怪夜行まあ、自己暗示に弱い人には危険かもね(^o^);