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つぶ子♪

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2006.01.13
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カテゴリ:やま
今日は、夫の仕事について書こうと思います。
でも私は現場を見たことがないし、夫の話だけを聞いて想像しているだけなので、現実とずれていることがあるかもしれませんのでご了承ください。


うちの夫は、山師の見習い、正式には“緑の雇用研修生”として山仕事をしています。
森林組合に所属しているので、組合から「ここからここまでを、下刈り・間伐・除伐または枝打ちをしてくれ」などと仕事を依頼されて行います。

最近しばらくは村内にある国有林で「間伐の研修」をしていました。
内容は‘この山の木の3割を切る’というもの。
つまり、よい木を育てるために悪い木や雑木を切るのですが、3割は切らなければならないということ。
もちろんチェーンソーを使って切ります。
この研修の意義は、様々な生え方をしている木を‘安全に’切り倒すことを学ぶ、チェーンソーをよりうまく使いこなせるようになる、また「3割」という感覚を身につける、というものでしょう。(←私の想像。組合は研修の意義をそこまで丁寧に説明してくれません。。)

仕事は3人一組(この一組のことを‘班’と呼びます)で行っています。
3人とも緑の雇用研修生ですが、その中の一人は林業一筋20数年というベテランの方。
山の仕事は危険が伴うので、まず私生活からきちっとしなければならないとベテランは言い(←これ、夫にはかなり厳しい一言です^^;)、この方に夫は一から仕事を教わっています。

山仕事を始めてまだ1年ほどの人間に、本格的に刈払機やチェーンソーを使った仕事をさせてくれる組合は、なかなかないそうです。
確かに、山に入るのさえ初めてで、まだ山が何たるかも分かっていない人間に、ひとつ間違えれば大怪我をする(命を落とすかもしれない)可能性のある器械を使わせるのは躊躇しますよね。
夫の班にはベテラン山師がいるのでやらせてくれているのでしょうか。
組合からも信頼されている方なのでしょう。
夫にも「何が何でも安全第一」と教えてくれる方です。


ところで、去年から数ヶ月続いていた「間伐の研修」がやっと終わりました。
出勤時間が早くてお弁当作りがタイヘンだったのですが、終わってくれて私も朝がほんの少し遅くなりました。


その後に2~3日間枝打ちの仕事をして、今日から新しい仕事「間伐の‘請負’の仕事」が始まりました。

‘請負’とは「個人が所有する山の管理を森林組合所属の山師が代わりにやる」という仕事で、‘請け’と呼んでいます。
‘請け’は、山主が組合に「この範囲をこれだけのお金でやってくれ」と以来し、それを組合が班に任せるのです。
班は、その仕事をどれくらいの日数でやろうと、何時から何時までやろうと自由です。
つまり、早く終わればそれだけ取り分も多くなるということです。
(取り分は基本的に班員の頭割り。)
でも強欲になりすぎると危険度が増すので(お金に目がくらみ、命を落とすのは馬鹿げています)、普段より余裕を持って、その上でさらに丁寧に仕事をすることが望まれるのです。


さて、今回の‘請け’は、まさに「3割の間伐」です。

夫も久々の‘請け’なので、気合が入っています。
待ち合わせ時間に30分も早く行き、心の準備と器械の手入れなどをしたそうです。


帰ってきて、どうだったかと聞くと「今日はベテラン(仮称)にひどく怒られた・・・」と。
夫の話では、「‘請け’は研修とは違う、あれじゃ3割どころか5割6割は切ってしまう」「個人の山だからちゃんと見回っている、3割だけを切れ」と怒鳴られたそうです。

ベテランは、都会から山仕事をやるために田舎に来た夫のことを自分の弟のように想ってくれています。
そして夫のために、仕事中はいつも厳しい態度で接してくれます。
今日は‘請け’だったために、余計厳しく言ったのでしょう。
夫も、この木は切らなくてもいいかなあ・・・と思いながら切ったそうです。
すると見ていたベテランがすぐ「なんで、それ切るんや~!!(怒)」と。
そして、今日は夕方から雨という予報だったので、午後早めに切り上げて帰ってきたのでした。


これまでの研修とは違う厳しさ。
この数ヶ月間、何度も何度も説明してきたはず、それなのにできない研修生にベテランも「なんでや!」と思ったことでしょう。

切ってもいい木、切ってはいけない木。
山に入って1年ほどの新人だと甘えてばかりもいられない。
この仕事を続けていく限り、それを見分ける目を養っていかなければならない。
趣味でさえ山に入ったことのない夫にとっては、きっととてもムズカシイことなのかもしれない。
でも1年前に比べれば、山や木を見る目は格段にアップしたと、私は話を聞いているだけでもそう感じます。
器用ではない夫なので、他の研修生よりも仕事を覚えるのにも手間と時間ががかかると思います。
それでも、夫のためと、激怒してくれるベテランに私は感謝しています。
ベテランの言葉はいつも夫を成長させています。
この世界で、そういう人に出会えたことは一生の宝だと思います。
ベテランも、やっかいな弟ができてしまった、でもなぜか憎めない奴だと思ってくれているのかもしれません。


今日半日で思ったより仕事が進んだそうで、明日・明後日は連休。
今日の続きはまた来週です。

夫、がんばれ~
ベテラン、夫をよろしく頼みます!





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Last updated  2006.01.13 16:28:43
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